31 ページ31
・
「お父さんにも、よろしく伝えておいてください。それと、お身体には気をつけて、後、私の事は心配しないでください。きっとどこかで人を救っています」
自分の声が震えた。目からボロボロと水が溢れた。
「さようなら。ありがとうございました」
そうして、相手の声も聞かずに、通話を切った。母の電話番号を消す。
そのまま携帯電話を呪霊が入っていない方のポケットに入れて、代わりにハンカチを取り出した。
涙が止まらない、涙腺が崩壊したのだろうか。
ふと、後ろで足音がして、急いで涙を拭いた。後ろを振り返る。
「鈴鹿さん…?なんで泣いて…」
「……えっ、あ、これは…なんでも…」
「なんでもあるでしょう」と、まだ止まらない涙を見て、そう言われた。
・
「俺で良かったら、困ってる事解決しますけど…」
「い、いえ!そう言った事じゃないんです!私自身も、なんで泣いているのか分からなくて…やだな、お恥ずかしいです……本当に……」
「……」
伏黒さんに目を逸らされた。それはそうだ。面倒臭い私の相手など、したくないだろう。
「…私、部屋に戻りますね」
「待ってください」
引き止められて、もう一度伏黒さんを見る。
「…今行くと、多分人に会います。しばらくここで休んだ方がいいですよ。それと、やっぱりお話聞かせてください」
「そうしないと、壊れるでしょ」
と言いたいような目をされて、戸惑った。けれど、不思議と体は素直に動いていた。
171人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
作者 - 紅葉さん» 弐の方にもコメントしてくださっていたんですね!気づくのが遅れてしまってすみません!読んでくださってありがとうございます! (2021年2月24日 22時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 五条先生の創作アルバム怖いですね……最後のセリフで「ヒェッ」ってなりました……。面白いです! 真希さんのツンツン具合がまた好き……続き読んできます (2021年2月22日 8時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ゆうなさん» わっ、本当に申し訳ございません…。修正させていただきました!今後も当作品をよろしくお願いします! (2021年2月6日 23時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - いつも楽しく読ませて頂いています!あの、22話くらいから、名前変換ができなくなっている気がします。華瑠→華琉になっているからだと思われます!此方の不具合でしたらすみません…これからも応援してます!! (2021年2月6日 11時) (レス) id: 3ecb08afbf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2021年1月26日 23時