本当の"先生" ページ16
『私…呪術のことなんて何も知らないし出来ませんよ …それでもいいんですか?』
「勿論!2年には全く呪力を持たないのもいるし、何より君がさっき見た悠仁って奴は3ヶ月前まで一般人だったんだから」
そんな簡単になれるものなのか…?"呪術師"ってのは…
「…あんま深く考えない方がいい 此奴の生徒は全員イカれてる」
「失敬な!皆大事な僕の生徒だよ」
その表情、声色でそれが本心であることを察した
今まで見てきたどの先生よりもおちゃらけてて…軽そうだけれど…
…誰よりも、"先生"というものになりきっていた
『その話…有難くお受けさせて頂きます 五条先生』
私は五条の顔をしっかりと見据えて…強く言葉を発した
もう後戻りする気はない
呪術師になるという選択で私の人生は大きく変わることになるだろう
だけど構わない
これ以上最悪な人生になることもないだろう
それに…呪術師になることが本当に出来るのならば…
"彼奴"を…由梨を殺したあの化け物を…!
私はポケットの中にある小瓶をギュッと握る
何処か温かい
カサリと呪符の擦れる音がした
『私に、化け物を…呪いを"祓う(ころす)"術を学ばせてください…!』
「…良い返事だ」
五条…いや、五条先生は何もかも見透かしたかのように不敵に笑う
「それじゃ、早速東京にレッツゴー!!って言いたいところなんだけど…まずその服を着替えた方が良さそうだね」
五条先生のその言葉に、私は自分がまだ制服を着ていることに気がついた
「もう その制服を着ることはないだろうし、高専に持っていく最低限の荷物を纏めてくるといいよ また明日、一度戻らないといけないしね」
『はい、分かりました』
私は東京に向かう準備を進めようとその場を後にした
マンションの扉を開け、母がいるリビングを無視して自室に戻る
殺風景な部屋
あまりにも物が少なすぎることは分かっていた
目につくのは部活で使うシューズとユニフォームだけ…
これだって私がバイトで稼いだお金で買ったものだ
母はまるで働く気のない自堕落な人だったから…
バイトで稼いだ収入もほぼ全て家計にまわしていた
学校を退学したからって理由でバイトも辞めざるを得なかったけど…
生活保護や奨学金のお金が入ってなかったらと思うとゾッとする
そんな私が趣味に使うお金など本当に限られていた
持っていく荷物なんて殆どないだろう
『今日持っていくのは着替えだけでいいかな…』
私は誰もいない部屋で一人呟いた
97人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セイ - コメントありがとうございます!前述した通り、私文章を賞賛されることがすっごく嬉しいです…!これからも読んで下されば幸いです (2021年3月8日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
庭にワニ - この作品がすごく好きです!表現から使う言葉からとても小説然としていて、もっとたくさん貴方の文が読みたくなりました。応援しています。 (2021年3月8日 14時) (レス) id: b2acb73c6a (このIDを非表示/違反報告)
セイ - 狗巻先輩推しなのバレちゃいましたか…えへ文章力で褒められるの少ないのですごい嬉しいです ありがとうございます (2021年3月2日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - 最近の更新で主様が狗巻推しなのめっちゃ伝わる、、笑これって狗巻と夢主ちゃんがくっつくENDってありますか??いつも更新ありがとうございます!主様の表現の仕方で場面の状況が簡単に想像できるの本当にすごいです、、、 (2021年2月28日 23時) (レス) id: 955356ab25 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - 待って待って自分がめちゃくちゃ考えた所アッサリバレてるの恥ずかしすぎる…もっと難しくしよう… (2021年1月31日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セイ | 作成日時:2021年1月15日 3時