呪術廻戦〜貳爪探し〜

高専いいとこ一度はおいで ページ15

『…ってのが事の顛末です 目が覚めたら目の前にあったのは瓦礫と泥だけで…それを退かしたらバラバラになった"由梨"がありました』

「お前何そんな飄々と…」

刑事は少し引いたように額に冷や汗を流した

私も何処か…感覚が麻痺しているんだろう

今となっては何とも思わない…

…そう､思いたい

「なっるほど…それで君が持ってるその爪が"ユリ"ちゃんのモノ…ってわけねぇ」

五条は特に意に介した様子はなく､私と同様の反応で納得したように頷いた

『はい 瓦礫の下に散らばってたんですよ…最後くらい､由梨の顔を見てあげたかったんですけど…顔面は特に酷く抉られてて…』

「あーもういいもういいッ！眠れなくなんだろーが…」

刑事は呆れたように溜息をついたかと思うと､私の頭をガシガシと強く掻き回す


「お前は我慢し過ぎだ…」


その言葉と行動に､私は多少混乱した

我慢…？私が…？

『…いえ､大丈夫です』

そう言って私は刑事のゴツゴツした大きな手を引き剥がそうと両手で掴む

しかし刑事の手は微動だにしない

ッ…動かねぇこの腕…！！

なんつー馬鹿力…ッ！！

「ねー麻倉 それ普通僕がすることだと思うんだけど？」

「うるせぇ教師が生徒に手ぇ出すもんじゃねぇ」

「公安職もでしょ…」

私が必死こいてる間にも2人は呑気に喋っている

この高身長ども…

「さてと､行こっか」

刑事の腕と格闘している私に向かって五条は声をかけた

それと同時に刑事の力も緩み､私の頭は開放された

うわ 髪の毛ボサボサ

いや､今はそんな事気にしてる場合じゃない

『行くって何処に…』

「"都立呪術高等専門学校" ！学生寮に食堂完備！生徒もおおらか性格最高､仕事以外も皆仲良し！アットホームな職場です！」

やけにハイテンション

五条は大きな身振り手振りで声高らかに説明する

『うわぁ…ブラック企業の決まり文句ばかり…』

「実際そうだからな 呪術師なんて年中人手不足なだから」

刑事はまるで当然といったような顔

「麻倉から聞いたよ？君高校辞めたんだって？どうする？行くところないよねぇ？」

『脅しですか…』

私は呆れながら五条に問いただした

まぁ返答は分かりきっていたけれど…

「勿論！使えるカードはこぞって使わないと！ここ 神奈川から東京まで2時間ちょっと 荷物はまた取りに来ればいいよ」

私は五条の軽い態度に呆れて深く溜息をついた

「悪いな こういう奴なんだ」

まぁ…何方にしろこうするしかないけれど

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