8話 ページ8
「(…ま、まさか、こんな事になるとは…!)」
場所は変わりマスタングの執務室へ。ちらりと目だけを動かすと目の前にはエルリック兄弟が、そして、脇に目を向けると、マスタングとその補佐リザ・ホークアイ中尉がいるのが分かる。
もんもんと頭の中で考えていると、エルリック兄弟とマスタングだけで話が進んでいた。
「今回の件で一つ借りができたね大佐。」
「…君に借りを作るのは気色が悪い。」
マスタングは椅子に背中を預け、肘置きに肘をかけ身体の前で手を組んでいる。偉そうにしているが、その表情は何とも言えないものになっている。眉をひそめ、眉間にしわがよっていた。
ずっと無言で見つめあっていたが、観念したのかため息をついて、エドワードに問いかけた。
「いいだろう、何が望みだね。」
「さっすが、話が早いね!」
話を聞く限り、自分たちの体を元に戻すために、生体錬成に詳しい錬金術師を紹介してほしいということだった。
「(私がいるのに話しても良かったのかなぁ…?)」
「…ところで、鋼の。そちらのお嬢さんは?」
どうやら話が解決したらしい。いきなりこちらの話になり、Aは、はっと驚いた。
「あ、そうだった。そういえば、あの時は話が聞けなかったんだよね。」
「こいつ、Aっていうんだけど、何でかハクロ将軍と同じ車両に乗ってたんだ。」
「…ハクロ将軍の?確か将軍は車両を貸し切りで取ったはずだが…。」
と、不思議に思ったのか、マスタングは目を細めた。それは少し疑いの色が見える。Aは、自然と背筋が伸びるのがわかった。
「(……一かバチかだ。本当のことを言ってみて、信じてもらえなかったら、ここを出よう。)」
膝の上でグッと力を入れて手を握りしめた。
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キラ(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (2018年11月3日 17時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - エド落ちキタあああ! (2018年9月30日 12時) (レス) id: 4351e9dc27 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - すごいなあ、彼女ちゃんは身体はってでも、二人を守ろうしたのね、それにエドは彼女ちゃん好きなんだ次回はどうなるのかな楽しみです (2018年7月3日 8時) (レス) id: 593bd57e41 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる(プロフ) - 晋陽さん» ひぇぇぇコメントありがとうございます!!頑張ります!これからも宜しくお願いします!ちなみに私もグリリン好きです← (2018年1月29日 22時) (レス) id: 88c9b03fcd (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - とっても面白いです!更新頑張って下さい!ちなみに、グリリンが好きです!← (2018年1月29日 19時) (レス) id: 8ef45f8c23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーぶる | 作成日時:2017年12月27日 13時