黒バス 短編集 【オレンジ】

【素顔】　黄瀬涼太　涼乃sリク ページ8

思えば、俺を好きだと言ってくれた今までの女の子は
　
全て、俺の顔や外見を好きだと言っていたんだと思う。
　
でも、彼女は違う。
　
本当の俺を好きだと言って、優しく笑うんだ。
　
　
「Aっち先輩〜。」
　
練習前のがらんとした体育館に居た私にいきなり抱きつく誰か。
　
思わず、持っていたタオルを落としてしまう。
　
「もう、黄瀬君。いきなりは止めてって言ったでしょう？」
　
力強そうな腕を振りほどき、私は黄瀬君の前に立つ。
　
「それに、こういうことは本当に好きな子にしかしちゃダメなのよ？」
　
「俺は、Aっち先輩が好きなんすよ？」
　
きょとんとした顔で、黄瀬君は言いきる。
　
おかげで、私の心臓は鼓動が早すぎて故障してしまうんじゃないだろうか。
　
「冗談止めてよね？」
　
と、頬が引きつって苦笑になる。
　
本当は、凄く嬉しい癖に。嬉しくないはずがないのに。
　
こんな私が、人気者の彼を好きになっちゃダメなんだ。
　
なのに、そう言い聞かせてるのに好きになっていっちゃうんだ…。
　
「‥Aっち先輩？」
　
動きがピタリと止まっていた私に不快を感じたのだろう。
　
黄瀬君は、心配そうに私と同じ目線で見ていた。
　
「ご、ごめん。何でもないの。」
　
「そうっすか？寝不足とかストレスはちゃんと解消した方がいいっすよ？」
　
黄瀬君は、そういうと私の頬に触れた。
　
「女の子の肌の対敵っすから。」
　
にっ、と笑う黄瀬君の笑顔は、優しさそのもので私はますます深みに堕ちる。
　
「黄瀬君、あのね、私…」
　
　
素顔
　
本当の君を知ってから、ずっと好きで仕方なくて。
　
　
(おい、黄瀬。外周行くぞ。…どうした？何かあったか。)
　
(ちょ、笠松センパイ！タイミング悪いすよ！)
　
(な、何でもないから！///)
　
　
涼乃s
　
リク、ありがとうございました！
　
最初の４文は、主人公が告白…というか黄瀬が告白して付き合い始めた後の後日談です。
　
あれ？と思われたかと思いますが、ご了承願います。
　
また、駄作であることお許し下さいませ。
　

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