黒バス 短編集 【オレンジ】

【茶道室】　赤司征十郎　にわとりsリク ページ45

ゆっくりとした時間が流れる茶道室。
　
活動日ではないというのに、１人座る部員。
　
「お待ちしておりましたでぇ？」
　
　
「いいのか、活動日でもないのに利用して。」
　
「構わんのやで？ちゃんと、先生には許可取りましたさかいに。」
　
それにしても…と、うちは口を動かすことを続ける。
　
「ホンマ、年上とか関係ないのやね？赤司君は。」
　
そういうと、赤司君はふっ、と笑う。
　
「じゃあ、Aセンパイとでも呼べと？」
　
うちは、目を伏せがちにしてお茶をたてた。
　
「冗談、冗談。本気にせんといてぇな。これでも飲んで一服してや？」
　
「なら、最初から言わないことだ。」
　
赤司君は、うちがたてたお茶を１口、口に含む。
　
どうやら、不味くはなかったらしく、飲みきったらしいかった。
　
「美味かった、ごちそうさま。」
　
「大きに。」
　
赤司君は、長い睫毛を少し伏せてから、ゆっくりとうちの方を見た。
　
「…で。」
　
「ん？」
　
「わざわざ、活動日でもないのに僕を呼ぶってことは…そういうことだよね？」
　
「赤司君が思っとるとおりや。」
　
わざわざ、活動日でもないのに呼んだんはただ赤司君と居られる時間が欲しかっただけ。
　
先ほどまで、ピンと張っていた糸が少し緩んだように、
　
赤司君は、ゆっくりとうちを畳の上に押し倒していく。
　
近づいてくる赤司君に合わせ、うちは目を瞑ると自然と唇が重なる。
　
合わせあった唇の隙間から、赤司君の舌が侵入して絡み合う。
　
「赤司君、このキス、苦いわ。」
　
　
茶道室
　
少し大人な、時間を、キスを。
　
　
(ちょ、帯外さんといてぇな！////)
　
(そういうことだと、言っただろう？)
　

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