黒バス 短編集 【オレンジ】

【時の一欠片】　黒子テツヤ　美咲sリク ページ23

果てしない時間の中で、僕と一緒に居るなんて数秒ぽっちのことだと思います。
　
僕らの何時間、何日は、時の中では秒に変わります。
　
だけど、僕らの一日は一日であって僕は貴女に大切にしてほしいんです。
　
その一日を。
　
　
「テツちゃん、無視しないでよ。」
　
ぶぅ、と頬を膨らませ、僕を見るAさん。
　
僕のことを好きだと言ってくれる桃井さんを覗く唯一の人。
　
「あのね、昨日ケーキ屋がオープンしたんだって。一緒に行か」
　
「Aさん、読書の邪魔なんで静かにして頂けますか？」
　
僕なんかと付き合う時間なんて、ただ時間の無駄遣いです。
　
Aさんの大切な時間を僕なんかに注いで欲しくないんです。
　
だから、あえて突き放すように言ったつもりなのですが…。
　
「あ、ごめんね？じゃあ、静かにテツちゃん見てるね？」
　
確かに静かにはなりましたが、
　
本越しに刺さる僕へのAさんの視線が気になる。
　
「あの、僕の事あまり見ないでもらえますか？」
　
気になって、気になって、読書どころではなくなるんです。
　
「え？あ、それは無理なお願いだよ。」
　
Aさんは、悪戯げに整った歯を見せ笑う。
　
「人の嫌がることをするのが、趣味なんですか。」
　
かなり冷たくあしらったはずなのに、
　
Aさんは、にぃ、と笑って僕を見た。
　
「うーん、テツちゃんだからなんだけど？」
　
そのAさんの言葉にどんな想いが込められているか
　
僕は察しがついていて。
　
「…はぁ。今日、そのケーキ屋に寄って帰りましょう。」
　
　
時の一欠片
　
少しでも、君と居られたら幸せだからとでも言いたいのでしょう？
　
　
(ホントに！？やったぁ。)
　
(全て、僕の負けです)
　
(え？全て？)
　
(はい。認めます、僕は君が好きみたいです)
　
　
美咲ｓ
　
こちらも、ツンデレではなくなり…。
　
もう、私にはツンデレを書く文才はないようです。
　
本当に、申し訳ありません。

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