24話 ページ24
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恋に恋してる?
どういうことなんだろう。
「Aちゃんみたいに、恋することに強く憧れて相手なんて誰でもいい人ってこと」
「別に誰でもいいなんて!」
「でも英太くんのこと好きではないんでしょ?」
「まあ、はい」
瀬見先輩のことが好きかと言われれば、それは腑に落ちない。
先輩として、人としては好きだけど。
それが果たして恋愛感情なのかと問われれば、違うと答えるだろう。
今日の天童先輩、少し怖い。
天童先輩は、相変わらず最後まで私を家まで送るつもりらしい。
恋に恋してる、なんて。
「あっ、ごめん、泣かないで」
優しく焦った声で言う天童先輩。
無意識に涙が出てくるのは、天童先輩が言うことが図星だからかもしれない。
私はずっと少女漫画や恋愛モノのドラマや映画に魅せられて、そればかりを追いかけてきたから。
「Aちゃん、恋愛ばかりが全てじゃないんダヨ」
「そんなの、わかってます」
「Aちゃん?」
「でも恋愛しない人はおかしいって、それが世界の常識じゃないですか!!」
私はそう叫んで、天童先輩を置いて家に向かって走った。
唖然として、追いかけてこない先輩。
明日から夏休みなんだから、しばらく会わない。
休み明けに会ったら何食わぬ顔でいればいい。
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時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。リンゴの例えはちょうどリンゴを食べてたら思いつきまして笑そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね! (2020年1月23日 21時) (レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼します!林檎の例え話が凄い!!もう凄すぎて凄いとしか言えない!!思わずコメント欄来ちゃいました!!これからも更新頑張って下さい!陰ながら応援しておりますm(_ _)m (2020年1月23日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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