【天月】僕の声が届かなくても

23話　またね ページ30

side.天月

あれから、沢山のことを歌詞さんと話した。
愛猫、愛犬のこと
歌のこと
生放送のこと
CDのこと
ツアーのこと…

とにかく沢山。
でも、病気のことは一切話さなかった。きっと、歌詞さんなりの気遣いなんだろうな、なんて思った。本当、歌詞さんは優しい人だ。

Ｑ：なんでこの人モテないの…？
　 狐さんだから？
　 痩せすぎだから？
　 背が高すぎだから？
　 あ、もしかして女性が苦手だから？？

うーん、分からない…。
「天月君？何、さっきから顔つきが険しいよ？もしかして疲れちゃった？」
「…!?あ、ぃぇ…っと、何っもあり…ま、せん」
「そう？じゃあいいんだけど…あと僕もう仕事だから帰っちゃうけど大丈夫？」
「…も、です…か。はい、大、丈夫…でっ…す。」
「またね!!」

手を振る、
バイバイ、とかさよなら、とかは少し口にすると悲しくなるから。
歌詞さんは“またね”って言ってくれた。
また会うことを約束してくれたんだ。
嬉しいな。
次会う時には元気にならないと。

あと、あの子。Aちゃん。
この前までさん付けしてたら
私の方が年下なんだしちゃん付けでいいですよ？
って言れたからAちゃんって呼んでる。
最近Aちゃんに会ってない…。
大学生だしバイトもしてるって言ってたよね…。
今だけ特別忙しいのかな…？
だったらまた会いに来てくれるよね…？

またねって言ってたよね…？

駄目だ、病気になって入院してから人恋しい気持ちが強くなってる。

もうちょっと、我慢強くて、欲なんてない人間になりたかった。

…あと、泣かない人間にも。


そんなお薬ないのかな…。



作者より→ちょっと訂正しました。

24話　コメントから思った気持ち→←22話　明日も元気で

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