【呪術廻戦】五条先生の恋人は元パンピー4【五条悟】

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『……昔の私ってどうやって悟に甘えてたんだろうって思って。それからどんな感じで悟に接してたか考えてたら分からなくなったの。』


声色がどんどん暗くなっていって少しずつ涙が混ざった声に変わっていく。


五｢うん、｣

『この5年間はずっと仕事ばっかりしてたし、年下達に囲まれてたし立場的にも人に甘えるっていうより皆に甘えられる事が多かったの。

それに、恋人だっていなかったし、異性として誰かを意識した事も無かったから……。』

五｢うん、そうだよね。｣

『ごめん、』

五｢謝らないで。今と昔の自分のギャップにびっくりしてるだけだよ。｣

『……そう、なのかな、』

五｢きっとね。僕も意地悪言ってごめん。ちゃんと本音で話して欲しくて。｣

『ほんね、？』

五｢うん。本音。｣


僕の顔を見て、涙が溜まった瞳をしながら首を傾げている。
ああ、そうか。この子はこの5年間誰かに本音を話す事をしなかったのか。だから、昔の様な甘え方も分からなくなって、迷ってしまってるのか。
両手をぎゅっと握っているAの手に自分の右手を重ねた。


五｢Aが思ってる事全部教えてよ。5年間溜めてた不安も全部。Aが頑張ってきた事も辛かった事も楽しかった事もされて嫌なことも嬉しい事も。他の誰にも話さなくていいから、僕にだけ話して欲しい。ダメ、かな？｣


僕がそう尋ねるとAはフルフルと小さく首を横に振った。


『だめじゃ、ないっ、』


零れそうだった涙が首を振った振動で落ちてAの頬を濡らした。その涙を親指で拭ってまた頬に手を添えた。


五｢5年間辛い思いさせてごめんね。これからは辛くなったら僕を頼って。僕もしんどくなったらAに励まして貰うから、｣

『う、ん。』

五｢ねぇA？｣

『？』

五｢キスしていい？｣

『そんなこと、聞かないで』


また1つ零れた涙を今度は自分の手で拭って僕の目を見ながら言った。

ゆっくり顔を近付けて鼻先がつきそうなくらい近付くとAはゆっくり目を閉じた。
頬に添えた手を首の後ろに移動させて僕も目を閉じて薄く色付いたAの唇に唇を重ねた。
ちゅ、というリップ音と共に唇を離すとAの瞳がゆっくり開いた。
バチッと目が合ってAが照れくさそうに微笑むその仕草が愛おしくてコツンと額をAの額に付けた。涙で濡れた睫毛が伏せられた。


五｢愛してる、｣

『私も、愛してる。』


改めて言葉にすると照れ臭くてお互いクスクス笑ってまた唇を寄せた。

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