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〜五条side〜
キスをしたいと言うと一瞬喜んだ顔をしてそれから困り果てた様な顔をし始めた。
え、どっちなのこれ。
五「キス、嫌?」
抱き締めながらもう一度問いかけた。
『や、じゃない』
五「じゃあどうしてそんな顔するの。」
『どんな顔?』
五「……困った様な顔。」
『っそんな顔してない、』
僕の身体を引き剥がして必死な顔をしてそう言い返された。
五「でも、眉間に皺寄ってた。」
『っ…そんなこと、』
五「無くないでしょ。ねぇA?僕は5年間物理的時間が流れてない中で過ごしてたから気持ちは1ヶ月会ってなかって久しぶりに会うあの時の感覚と変わらないんだ。もちろん気持ちも。」
名残惜しいけど自分の腕をAから離して自分の太腿の上に両前腕を置いた。
五「でもAは違う。色んな経験をして考え方も変わっただろうし、気持ちももしかしたら変わったかもしれない。」
『ちが、』
五「違わないでしょ。実際Aは当主として特級呪術師としてこの5年で積んだ経験があるんだ。でもプライベートは?今男がいなかっただけでもしかしたら僕を忘れるために作ったかもしれない。任務で昂って自分じゃどうにもならない時そういう店に行ったかもしれない。でもそれは今の僕にはわからないんだ。」
僕の目を見つめていたAの瞳が涙で揺れ、ゆっくり僕の目から視線が外れた。
僕の服の裾を掴んでいた手も離れてしまい、Aは完全に俯いてしまった。
五「もし今言ったことが全て違ってたとしてもAが変わった事は事実だ。僕は責めてるんじゃないよ。怒ってもない。ただ僕は今のAの気持ちをちゃんと教えて欲しい。」
Aを見ながらゆっくり言い聞かせるように続けた。
五「僕はどんなAでも愛してる。だから心配せずに話して欲しい。」
Aは俯いたまま両手をぎゅっと握るだけで何も言わない。
この5年の間に溜め込むタイプになってしまったのだろうか。
五「A、」
背中の真ん中まで伸びた髪を耳にかけながら言う。
五「Aの事傷付けたくない。だから、嫌な事ちゃんと教えて。」
Aはたっぷり言葉を考えて口を開いた。
『………嫌、じゃないの。キスも、それ以外の事も全部嫌じゃない。けど、』
Aの耳に掛からなかった髪がまた顔を僕から遮る。
『どうしていいのか、わからないの。』
自信なさげに僕にしか聞こえないような声で言った。
五「なにが、わからないの?」
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華渚(プロフ) - もも汰さん» めっちゃ褒めてくれるじゃないですか!!ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!更新頑張ります! (2020年11月28日 8時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
もも汰(プロフ) - 最初から読んでいますがやっぱり面白いです……!!感動する所や笑える所、考えさせられる事がたくさんあるので最近はずっとこの小説読んでいます笑 続編でも更新頑張ってください! (2020年11月28日 7時) (レス) id: 4ac9f60d16 (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - 鈴さん» 話の量多いですよね、私文章を纏める力がなくてダラダラ書いてしまうんです。ごめんなさい。全部読んで頂けて嬉しい限りです!更新頑張ります! (2020年11月25日 0時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - や、やっと、やっと追いついた!!今ようやく最新話です← ハマったの最近なんですが、もう読むの楽しいです!更新、ゆっくり待ってます。 (2020年11月24日 22時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - みんとさん» コメントありがとうございます!今からイチャイチャターンなのでいっぱいニヤニヤして貰えるように頑張ります! (2020年11月24日 3時) (レス) id: 18351af9b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華渚 | 作成日時:2020年11月18日 21時