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術式で飛んだ先は悟の家。
2人とも無言でマンションのエントランスを抜けてエレベーターに乗った。悟の部屋がある階まで上がって、悟の部屋に着いた。
『……おじゃまします、』
何度も1人で入った部屋なのに悟がいることに少し緊張して、足を踏み入れた。
五「ただいま、だよ。」
『…そうね、』
靴を脱いで自分のスリッパを履いて、悟の後ろをついて行く。
今まではずっと1人だったのに、今は悟がいて、薄くなってた悟の匂いも戻ってきて、色のなかった世界が色付いた。
五「はい、ここ座って?」
いつの間にやらリビングまで来ていて悟はソファーに腰掛けその隣をポンポンと叩いていた。
私はそれに素直に従って少し間隔を開けて隣に座った。間隔を開けたことが気に食わないのかむ、とした顔をして私の手を取った。
五「もっとこっち。」
私の手を、自分の方に引っ張る。
『ここでいいよ。』
五「どうして。」
『どうしても、』
五「じゃあだめ。こっちきて。」
悟の大きな手が私たちの間の隙間の布を叩いている。
『…はぁ、』
ワガママだなぁ。と言いながら腰を動かして悟の近くに寄った。これで満足?と顔を見上げると悟はサングラスを外して机に置いた。
五「……昨日、あんな抱き方してごめん。僕以外の男と婚約したって聞いてイラついて、5年も離れてたAの気持ち全然考えてなかった。」
本当にごめん、と悟は形のいい両眉を下げて申し訳なさそうに謝っていた。
『………悟が謝ることは何も無いよ。
私は悟に怒られるようなこと沢山してきた。命を投げ出そうとした事もあったし、私の身を切った一手を打つ事もあった。今日の結納だって、それの1つだっただけ。
悟には恋人が居ない間に好き勝手やってた私を怒る権利があるんだから、謝ることじゃないよ。』
五「………」
『この5年で私も皆も成長できた。悟が居たら出来なかった事も出来たし逆に悟が居ることの有難みも感じたよ。』
五「僕はその成長を一緒に見たかったし僕が育てたかった。」
『時間の流れにはさすがの最強も逆らえないよ。』
五「はぁあ。」
悟は項垂れてから私を抱き締めた。5年ぶりに優しく抱き締められたので心臓がドキドキと音を立てる。
五「封印解いたらAは禪院になってるし、皆おっきくなってるし。Aとはいつの間にか3歳差になってるしさぁ。」
『え、そうなの?』
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華渚(プロフ) - もも汰さん» めっちゃ褒めてくれるじゃないですか!!ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!更新頑張ります! (2020年11月28日 8時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
もも汰(プロフ) - 最初から読んでいますがやっぱり面白いです……!!感動する所や笑える所、考えさせられる事がたくさんあるので最近はずっとこの小説読んでいます笑 続編でも更新頑張ってください! (2020年11月28日 7時) (レス) id: 4ac9f60d16 (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - 鈴さん» 話の量多いですよね、私文章を纏める力がなくてダラダラ書いてしまうんです。ごめんなさい。全部読んで頂けて嬉しい限りです!更新頑張ります! (2020年11月25日 0時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - や、やっと、やっと追いついた!!今ようやく最新話です← ハマったの最近なんですが、もう読むの楽しいです!更新、ゆっくり待ってます。 (2020年11月24日 22時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - みんとさん» コメントありがとうございます!今からイチャイチャターンなのでいっぱいニヤニヤして貰えるように頑張ります! (2020年11月24日 3時) (レス) id: 18351af9b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華渚 | 作成日時:2020年11月18日 21時