【高杉】色気と厨二は紙一重 ページ14
三味線の音が響く船は、江戸の川をゆらゆらと進む。
貸切の遊覧船に、Aは遊女として潜入しに来ていた。
座敷へと続く障子の向こうには最も過激な攘夷志士、高杉晋助。
港に待機する真選組の精鋭部隊のところまで高杉を導くのがAの役目だった。
す、っと音を立てて障子を開く。
いつもは着ない派手な着物姿で三つ指をついて礼をする。
高杉は船の窓の縁に腰掛け、三味線を弾き続けている。
「今夜のお供をさせていただきます。どうぞよろしくお頼み申し上げます。」
顔を上げると、目が合った。
ククク、と高杉は喉を鳴らして笑う。
「こりゃまたいい女が来たもんだ。」
「高杉様にお褒めいただけるなんて、光栄ですこと」
艶っぽく微笑むと、高杉は三味線を引く手を止めて手招きする。
「どうだ、酌の一つでもしてくれや」
頭を下げ、側による。
掲げた杯に並々と酒を注ぐ。ここで酔わせて仕舞えば、後が楽だ。
と。
船がぐらりと揺れ、高杉の持つ杯から酒が溢れた。
「濡れちまったなァ」
「すぐに代わりのお召し物を」
「構いやしねェ、」
獣のような目で見つめられ、背筋がぞくりとする。
怖くはない。決して。
懐には脇差を忍ばせているし、もうすぐ仲間の待つ港だ。
だが。
この男の持つ何かが、Aの心を、なんと言えばいいのか、酔わせる。
そんな気がして、鳥肌が立った。
「なァ、知ってるか」
首をかしげるAに高杉は面白そうに語る。
「昔この船に恋人の女と男が乗ってきた。
その時船を漕いでた船頭は、客の女に惚れちまってな、男の酔った隙を見て女に言いよったのさ。
それを聞いてしまった男は怒ってな。
酒の入ってた男は、船頭と女を斬っちまった。」
「酷いはなし。」
「そうだろうな。」
高杉は床の畳を指先でなぞる。
「この畳も、この壁も、血で真っ赤に染まったみてェだ。
今はな…出るらしいぜ、女と船頭の幽霊が。」
「え、マジで、」
思わず素で返してしまい、しまったと口を覆う。
だが仕方がない。攘夷志士よりも、高杉よりも、Aは幽霊が苦手だった。
敵は斬れば倒れる。でも幽霊は…ああ嫌だ。
だが遊女にしてこの反応。バレたか、と恐る恐る顔を上げると、高杉は目を見開いて笑いを堪えていた。
先程とは変わって純粋そうな表情に、Aも拍子を抜かれる。
「もしかしてお前、怖いのか？幽霊が、」
「そ、そんな訳では」
高杉はクククと笑った。
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らいむ - 夢主最強設定の夢小説って殆んどツッコミどころ満載でストーリー滅茶苦茶だよねwまあ占ツククオリティだし仕方ないかww (2018年2月20日 15時) (
レス) id: 08b891f6f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - エリザベスになりたいさん、こんにちは！！！いつも読ませてもらってます。銀さんの感じ大好きです。ちょっと宣伝になりますが、続編書いたので気が向けばまた読んでください (2018年1月27日 22時) (レス) id: f977a19712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - リクエストですね。個人的に銀さんと沖田くんが大好きなので！お願いしたいです。 (2018年1月13日 16時) (レス) id: 2124d3e231 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベスになりたい - ウィングさん» 遅くなってすみません！ぜひぜひ！リクエストお待ちしています！ (2018年1月12日 22時) (レス) id: 1895e4600d (このIDを非表示/違反報告)
ウィング - 今回はじめてエリザベスになりたい様の小説を読みました！！ウィングです！！誰の短編もとても面白かったです！！！(ホントになんでこんな文才ある人いるんだろう…うらやましい�髴�)
好きなキャラリクエストしてもいいですか？？？
(2018年1月10日 17時) (携帯から) (レス) id: f35e024f80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリザベスになりたい。 | 作成日時：2017年12月29日 20時
