【ぬら孫】言霊の華は咲き誇る 〜過去への清算〜 part３

ぬらりひょんの孫娘、祖父と。 ページ34

ぬらりひょんside


風が吹き抜ける。さっきとは違う、毒の香りがしない風。眼下には、走り去っていくお嬢ちゃん。


「花開院ゆら、か・・・」


花開院家の中で唯一『破軍』を使える少女。その才は、おそらく、

「成長次第では秀元と同じか・・・それ以上・・・」

そして、花開院には、


「美華、お前、どうなっとるんじゃ・・・」


わしの孫が、鯉伴の娘がおる・・・。


首無を通じて、連絡はくれる。生きている、だとか息災だ、とか。ただ、首無はその手紙を見るたびに悲しそうな顔をする。そしてその顔を見るたびに毛倡伎も辛そうな顔をする。


『首無を私の婚約者に』


そういった美華の記憶はまだ新しい。



「何がしたいんじゃ・・・」



感傷的に目を瞑った。すると、ふと、


「なんじゃ、風の匂いが変わった・・・？」


見回す。けれど、姿は見えない。気配はする。

突然、給水塔にはっきりした気配がした。


「あら、ご名答です」

「!!!!」


振り返る。もちろん、得物の携帯も怠らない。


「そんなに邪険にしないでください。それよりも、先ほどの『ムチ』への闘い、鏡花水月、お見事です」

「なぜ知っておる！何奴じゃ！」


クスクスと笑う女。銀髪の女。給水塔に黒いローブを羽織って片足を立てながら動かない。


「まあまあ、今回は戦う気はありません。ただ、拝見したくてこうして隠れていた次第です。申し遅れました、白夜と呼ばれています。以後お見知りおきを」

「・・・言霊を操る、京に現れた女ってのはてめえのことか！」


正解です、そこまで広まっておいででしたか。と笑う女の声、聴き覚えがある。どこか、懐かしい声。


「ふふ、最後に一つ。近々、若き大将同士の大きな決戦が開かれることでしょう。そのときに私はまた現れます。ではさようなら」

「どういうことだ！おい！」

「そういうことです。じゃあ、最後の置土産です。


ーーーーーーー結界輪・小菊」



そう言って女は去っていった。

後に残されるのは暖かい傷を癒やしてくれる美しい花の文様の結界。



『白夜』



何者だ・・・？なぜ知るはずのない情報を知っている・・・？


そして何より・・・。



「あの結界輪・・・。ありゃあ、大昔の治癒の秘術じゃねえか・・・」



声は、心なしか美華に似ていたーーーーー。







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ごめんなさい、更新サボって！それと、紀乃ちゃんの『ろう』のところは漢字が違います！すいません、出てきませんでした！

ぬらりひょんの孫娘、狼は危険です。→←ぬらりひょんの孫娘、夜雀に会う

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