【黄瀬涼太】星の座る場所 ★ ﾃﾞﾈﾌﾞ ★

◆MINIMI◆ ページ7

元々既に実験体にされている筈の黄瀬がのこのこ廊下を無防備に歩く訳にもいかず

黄瀬は約束通り午後の12時になると、私室の扉を開けて待ち構えていたﾒﾃｵと遭遇した。

「黄瀬、ほらこれ」

「え………うわ、銃!?ﾓﾉﾎﾝ!?」

「本物よ。昨日ﾄﾞﾛｰｶﾞさんが作ってくれたわ。世界最強の拳銃と言われてるの。ﾊﾟｲﾌｧｰﾂｪﾘｽｶよ」

本来は象狩り等に用いられる大型の動物を仕留めるための大口径ﾏｸﾞﾅﾑﾗｲﾌﾙ弾薬。

6kgという拳銃として他に類を見ない重量。

超大型の回転式拳銃だ。

「この前、銃の撃ち方は教えたから大丈夫よね？」

「へ、平気っス」

「じゃあ行くわよ。もう少ししたらﾚﾊﾟｰﾄﾞとも会うわ」

「え、あの…何処に行くんスか…」

「まだ局長は帰ってない。その内に、この施設を破壊しまくるの」









時計の短い針が2を指した頃。

ﾒﾃｵと黄瀬は3階を全て壊し尽くした。

勿論研究員は無事に置いておく訳にもいかず、拳銃同様にﾄﾞﾛｰｶﾞが作ったと言う強烈な副作用が効く薬を注射器でぶち込んだ。

どうやら記憶喪失を促すらしい。

研究員は庭の物置小屋に寝かせ、実験室にあった用具、薬、開発用の資料等、全て撃つ。

黄瀬も何回か手伝おうとしたが、拳銃は最後の時まで待てと言われ、仕方無く彼女を眺める事に｡

「それにしても…」

彼女も彼女で既に機械という正体が知られて安心しているのか

躊躇いも無く、身体の色々な部分から兵器を取り出して飛び回っていた｡

六連装の回転式、二十一発装填の自動式。

人間ではなくﾍﾘや装甲車を獲物とする怪物ｽﾅｲﾊﾟｰﾗｲﾌﾙ、Barett M82。

ﾌﾙｵｰﾄで散弾をまき散らす事の出来る恐怖のｼｮｯﾄｶﾞﾝ、ｼﾞｬｯｸﾊﾝﾏｰ。

映画で見た事のあるｲﾀﾘｱ生まれの新世代ｼｮｯﾄｶﾞﾝ、Franchi SPAS-12。

陸上自衛隊の制式歩兵銃、89式5.56mm小銃。

正直最初に知った時は受け入れられるかどうか不安だったが

気味悪いと言うより…

「めちゃめちゃｶｯｹｰんスけど…」

侍が何本もの刀を振るい使い回していく様に

ﾒﾃｵはまるで隕石の様に宙を舞い、簡単に銃を構えて片手で撃ってしまう

なんというか、もう格好いい。

ｼｭﾀｯ、と。爪先からの着地。

「……よし、この階はもういいわね。次は下に降りるわよ」

「Aっち……」

「？」

「お嫁に貰って欲しいっス」

「頭大丈夫？」



真顔で心配されたあああああ( 'ω')



「変な事言ってないで、2階に行くわよ」

「ウイッス」

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