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ピアノが置かれた理由4 ページ4

恥ずかしがることもないだろう、と続く言葉を待っていると、少し頬を赤らめたピアニストが語った。
「いえ、その……少し調べたんですが、この店は様々な演奏者さんたちが演奏をして、世に出ていったわけですが、どの時代にも、多種多様な楽器はあれど、ピアノだけは欠かしていないんです」
言われてみると、確かに。これまでも色々な演奏があった。ベースギターが入ってロックな感じが入ったこともあったし、弾き語りだったこともあった。けれど、そのどんな演奏にもやはり、ピアノは欠かさず入っていた。
「父親と来ていた頃にもあったな」
「おじさま、お父様とも来ていらしたのですね」
「ああ、子どもの頃な」
「というと、益々年代物ですね」
ふ、とピアニストの表情が和らぐ。
「大切にされてきたんですね、あのピアノ」
それはきっと、演奏者として嬉しかったのだろう。音楽に演奏者にとって、楽器は命より大切と言われている。

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作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年10月25日 13時

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