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ピアノが置かれた理由5 ページ5
「それにしても、楽器って長生きなんですね」
歌手の感心した声に眼鏡が頷く。
「メンテナンスさえしっかりしていれば、かなり長く使われる。教会の礼拝堂なんかにあるものなんかはここのピアノの比じゃないだろう」
「確かに、あんまり壊れたっていう話は聞かないかもです」
「他の楽器もメンテナンスをすれば、長く使えますよ」
ピアニストが目を輝かせて解説を始める。おそらく、得意分野の話が回ってきたことで興奮しているのだろう。微笑ましい限りである。
置いてきぼりの顎髭がポカーンとしているのが面白くて、眼鏡はくつくつ笑った。案の定、人の顔を見て笑うとは失礼なやつだ、といった類の注意を受けた。
「しかし、そんなに長くピアノが置かれているなんて……マスターはピアノに何か思い入れがあるのでしょうか」
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年10月25日 13時