03:黄瀬ちゃんとシャンツァさん ページ3
「もしかして、シャンツァさんと上手くいってないの?」
「そうじゃないんだけど…」
放課後、嫁の会話が始まった。
「まず、歩くといつの間にかはぐれてるし…一緒に寝ようとすると、次の朝またハゲが
増えてるし…でもまあ、毎日一緒にお風呂に入るぐらいはラブラブかな?」
(何だろう…夫婦の明け透けなラブラブ具合を聞いても、全くドキドキしない…)
黄瀬ちゃんの話曰く…。
「お〜い、シャンツァ。早く入ってきてよ」
「え〜」
「「え〜」じゃないの!!」
ハゲを見られたくないのか、一緒に入るのを毎回拒むシャンツァ。
「私の事は呪わないでよ〜?ハゲとかマジ勘弁だよ」
「呪わないよ〜」
「よしよし、新しい増毛剤買ってきたよ。欲しがってたでしょ」
「わ〜、風花大好き〜」
うわ、何だろう…すごい羨ましい…。一緒にお風呂とか…。
その日の夜。
「べ、ベルガモさん。一緒にお風呂入ります…?」
「ん、いいのか…?」
「さ、さすがにタオルは巻きますが…」
「…分かった」
よく考えれば、ベルガモさんは常に全裸なんですがね…。
(嗚呼、こうやって泡にまみれているベルガモさんの毛並みのなめらかな事といったら…)
ベルガモさんの背中を流して、一緒に湯舟に入る。
たくましい体に、青い体毛が塗れる事によって、普段より色気が増している。
と、その時私は見てしまった。
お湯の中で、ゆらりとたゆたうベルガモさんの尻尾を…!!
「ごめんなさい!!毎日一緒には入れません!!」
「!?」
赤面して、思わず浴室を飛び出してしまった。
ベルガモさんの体毛が魅惑の七変化過ぎます…!!
「さ、さっきは急に飛び出してってすみません…」
「いや、気にするな」
「もうちょっと経てば、ベルガモさんとの二人暮らしにも慣れてくると思うんですが…」
そう言いながら、ベルガモさんの体をドライヤーで乾かしていた瞬間―――。
ベルガモさんの体毛が、ふわっふわになった。
「はああああっ」
「お、おい!?ねこ!?」
思わず抱きついてしまう。
私ってつくづくダメな嫁…!!
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