Two's company (ページ44)

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紫耀side

廉の手を引き、廉の家へと向かう

廉に話しかけても返事がないから、多分、さっきの人のこと考えて

ぼーっとしてるんだと思う

廉の家に着き

廉の過去が知りたくて、

家に上がらせてと言う

廉は、少し、動きを止めて、

そして、ゆっくりと、頷いた

廉の家はあの校舎裏よりも暗くて、

廉って暗いとこ好きなのかな？そう思い尋ねる

もし、廉も好きだったなら、凄いよな

俺も好きだからさ

そしたら、まさかの、好きという答え

その答えに内心喜んじゃったりして(笑)

廉は、リビングのカーテンを開け、

俺をソファに座らせ、お茶を出す

その後、廉もソファに沈む

そして、小さく、深く、ふぅ…と息を吐き出し、

ぽつり、ぽつりと

廉は、今まであったことを言い始めた

あの”元”親友、あかしさんに

ネットでたくさん騙されたこと、

ネットの友達に、学校の友達に、

詳しいわけも知らず、

本来、被害者であるはずの廉が責められ、

加害者であるはずのあかしさんが守られたこと

その騙された中学生時代に、

両親が他界したこと…

そして、

廉「俺って、最低なんよ、

　あかしくんの幸せが俺に来ればいいのにとか、

　あいつに天罰が下ればいいのに、とか、

　そんな最低な事考えて、

　いつしか、そんな最低なことを考える自分の方が加害者なんだって思い始めて、

　自分と、相手に、優しくしなかった…」

廉が、最低人間だってこと…

紫「そんなわけない！！！

　自分を不幸にした相手の不幸を願ってしまうのも、

　天罰が下ってほしいって思うのも、

　自然なことだから！最低なんかじゃない！！

　廉は加害者なんかじゃない。完全なる被害者だ…。」

涙を流し、震える廉の体を

優しく、強く、抱きしめる

そして、少し声を荒げ、そう言う

廉は嗚咽を漏らし、涙をたくさん流し始めた

まだ中学生という小さくて幼い思春期に廉が体験したことは、

思った以上に、酷く、残酷で…

俺も涙が出そうになった

親友に騙され、

友達に責められ、

親を亡くし、

きっと、俺じゃ耐えきれない、

紫「廉、生きててくれてありがとう、

　頑張ってくれて、ありがとう、

　耐えてきてくれて、ありがとう…」

涙をたくさん流し、震える廉の体を優しく包み込み、

上下にする背中を優しく擦る

人と関係を断った理由も、

暗くなったのも、

人が怖くなったのも、

全てがこれが原因だったんだ…

当時中学生の頃の廉の心の傷の痛みが、

痛いほど感じられて、胸が締め付けられた