【名探偵コナン】ポアロマスターの代理です。2

33.らしくない ページ1

零side.


作戦2日目。
昨日と同じ時間にやはり彼女は来た。
どうやら昨日の行動だけでは
諦めてくれなかったようだ。

という事で再び作戦を実行したいのだが…


安｢律さん？律さん！！｣

『ん…っ！？あぁ、どしたの安室君？』


朝から割とこんな様子だ。
どうしたのだろうか…
昨日の夢とやらが関係してるのか？
涙の跡も……


安｢裏で少し休んできますか？｣

『いやいや、大丈夫大丈夫！
よし！今日も一丁やりますよ〜』


なんて、明らかな空元気を見せられた。
普段見た事の無い彼女の様子。
そういえば俺は律の周りの人の話を
一切知らない…
家族の事や友達の事を全く聞いたことがなかった。

そこに…何か繋がるのだろうか…


『安室くーん？作戦はー？ﾎﾞｿｯ』

安｢今日は…止めておきましょう。｣

『んんん？？』


どうにもそれについて考えてしまう頭は
まだ疑問を抱かなかった。




そして閉店後また途中で落ち合い一度帰宅し、
俺は"バーボン"としての任務を遂行しに行った。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




降｢チッ…、油断したな…｣


どうやら俺は律の事で
考え込んでいたらしい…
しくじって腕の広範囲を
派手に擦りむいてしまった。
一部は深く傷が入ってしまい出血が多い。

何がトリプルフェイスだよ、らしくない…

普段の俺ならばこんな事で
気を取られなかった筈だ。
それが今はどうだろう…
現に怪我をしてしまっている。

さて、どうしたものか。
一度自宅に帰って応急処置してから
律の家に帰るか…
いや、きっともう寝てるだろうと
こっそりと真っ直ぐに
律の家に帰ることにした。



……………



合鍵で静かにドアを開ける。
自宅に車を置いたすぐ後に
降り出した雨は俺を容赦なく濡らした。
とりあえず着替えなければ…

どうやらリビングに電気は点いていない、
寝ているのだろう。
物音を立てないように部屋へ向かう。
すると急に点く電気。


『零…っ！？ちょっと腕！！』

降｢大した事ないさ。｣

『いいから！！リビング来て！！！』


怪我をしていない方の腕を引っ張る
律の表情は何故か…

今にも泣き出しそうだった。

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