再開 ページ23
PM 2:30
接客もしながらお菓子を作るのはかなり大変だった。
今日は結構なお客さんの量だったから、もうショーケースもほとんど空っぽ。
やっぱり、1人だとキツイなー。
明日と明後日も、敦無理そうだし、臨時休業にしよう。
ちょうど、予約もないし。
お客さんが途切れたのを見計らって、店の扉に"臨時休業のお知らせ"を貼る。
「あれぇ?もしかして、今日終わっちゃった感じ?」
「……………………(シュン)」
『コガちゃん!凛くん!久しぶり!』
感動の再会!というやつかな!
久々の2人に、思わず抱きついてしまう。
「やっほ!仕事で近くまで来たからさ。まだやってる?」
『やってるよ!でも、ほとんどお菓子ないんだよね〜。』
三毛猫の獣人の小金井慎二くんと、ツキノワグマの獣人の水戸部凛之助くん。
2人は料理本を出版している会社に就職したらしい。
会社が近くにあるので、よく店に寄って話をしたり、ケーキを食べてくれる。
扉を開けて、2人を迎え入れると、コガちゃんはあんら〜と声を上げた。
「わ〜ホントだ!前来た時は、こんなじゃなかったじゃん!どったの?」
『敦が昨日発 情 期に入っちゃって。何とか頑張ったんだけど、やっぱり1人だとさ〜。』
「そっか〜大変だね。」
「………!(パァ」
「お!良かったじゃん!ザッハトルテあって!」
凛くんは嬉しそうに頷いて、これにすると指を指した。
『はいこれね。コガちゃんはどうする?』
「ん〜〜〜………やっぱりバームクーヘン!今日はデカいの1コいっちゃおっかな!」
『ありがとう〜!じゃあおまけ付けちゃう。』
おまけ、と言っても、余ったパイを焼いて砂糖をかけた簡単なもの。
「あー!それっておまけだったんだ!この前職場で食べたのが忘れられなくてさー。探したけど、なかったんだよね!」
「………………(コクコク」
美味しそう!とコガはヨダレを啜る。
『はい、気をつけてお持ちください!』
「ありがと!また来るね〜!」
「……………(フリフリ」
『仕事頑張って!』
2人を見送る。
…さて、そろそろ店じまいだ。
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作者名:ウィンぷす | 作成日時:2020年3月9日 19時