お薬 ページ17
「ふふふ……………。」
敦は機嫌が良くなったようで、相変わらず私にマーキングをしてくる。
私は、敦の腕に収まりながらテレビを見ることにした。
"犯人は………君だ!"
"なっ!そんな馬鹿な!"
"そうだ……やったのは俺だよ!!"
昼間のサスペンスだ。
なんで犯人だと特定された瞬間、犯人はこんなにも人相が悪くなって、ベラベラ犯行を喋るんだろう?
『涼太、なんで犯人って喋っちゃうの?』
「なんでって、そうしないとドラマが成立しないじゃないっすか………。」
『ふーん。征十郎とテツヤと真太郎の3人だったら、完全犯罪出来そうだけど。』
「怖いこと言わないでくださいよ!Aっち!ガチでその3人なら出来そうじゃん!」
『でしょ?作戦は真太郎、実行はテツヤ、口封じは征十郎。完璧!』
「おー怖!シャレになんないっす………。」
「う〜ぅ〜〜〜!」
敦を放っておいたから、抗議の声が上がる。
『ごめんごめん敦。拗ねないで。』
頭を撫でると、頬ずりをしてくる。
「それにしても、紫原っちもいい加減抑制剤使えばいいのに。なんで飲まないんすか?」
『飲んだら?とは言ってるんだけどね〜。敦、薬初めて飲んだ時苦すぎて。その時のがトラウマらしいよ。』
「小さい子のトラウマって、根強いっすね〜。」
『敦は匂い食べ物に入れても匂いで気づいちゃうしね。そもそも、身体に薬が合わないのかも。』
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作者名:ウィンぷす | 作成日時:2020年3月9日 19時