発 情 期* ページ13
急にした物音にびっくりして、耳と尻尾がピンと立つ。
何の音だろう?
部屋の方から聞こえたような………?
"バン!ドタドタドタドタ!!"
リビングの扉が大きく開く。
「Aちん!?Aちん!?」
音の正体は、敦だった。
いつもより焦って、落ち着きがない。
私を探しているみたい。
『ここだよ!敦!』
敦ははっと振り返って、私を見た。
『よ!』
紙飛行機を持ったまま、敦の頭に飛び乗る。
『危ね!』
敦の髪の毛はサラサラで掴みにくいので、耳に掴まる。
敦は、私を片手で掴んで、頬ずりをした。
「あ〜よかったぁ〜〜Aちん、いた〜〜。」
敦の目は少し涙ぐんでいた。
「元に戻ってよ〜Aちん〜〜。」
『あ、うん。』
元に戻ると、ギュッと抱き締めてきた。
「うぅ〜〜〜〜〜………。」
『よしよし。』
どうしたんだろう?
そう思っていると、敦から、匂いがした。
『あ〜!そろそろ発 情 期だもねん。』
少し早いけど、発 情 期は前後するから、仕方ない。
発 情 期は、個人差があって、期間も人それぞれだ。
発 情 期に入ると、独特の匂いがしたり、気性が荒くなったり、不安定になる。
敦は、甘い匂いがして、言動が幼くなって、とにかく私と離れるのを嫌がる。
番になった事もあり、その意識は本当に強くなった。
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作者名:ウィンぷす | 作成日時:2020年3月9日 19時