5話「鹿之助の捜索」〜晴久side〜 ページ6
「晴様〜、晴様〜!」
来やがったか、鹿之助……!
久々に他国に出ようと思ったら、やっぱり鹿之助が来たか……。
「晴様?どこですか!?」
こいつのせいで休暇が潰れるのはごめんだ。俺は一旦身を潜めることにした。
「ここなら見つからねえな……」
俺が隠れたのは、誰かの建物の塀の影。家主には悪いが、ここは一旦身を潜めさせてもらうか。
「あんた何してんの?」
頭上から声が降ってきた。聞き覚えのある声だ。しかも、憎たらしい……
「月影か、お前!」
月影A。こいつの声に違いねえ。
「へえ。となると、私をつけ回していたわけではないと」
「決まってんだろ。誰が悲しくてお前なんかつけ回すかよ」
月影の城に渋々身を潜めることにした。
「それどういう意味よ?何かすごい失礼な気がするんだけど」
「自分で解釈しろ。俺からは何も言わねえ」
やっぱり多少生意気なところがあるな、こいつは。前々から思っていたが。
「何?城を抜け出したわけ?」
「まあな」
抜け出した……のか?まあ、他人から見たらそう思われるだろうな。
「A様。お客様が」
「わかった〜。通して」
恐らく、この城の家臣だろう。
「晴様!やっと見つけましたよ!」
「鹿之助!?何でここにいる!」
鹿之助が何でこの城に……それよりも、どうやって居場所を知ったんだ!
「晴様!勝手に抜け出さないでください!どれだけ僕とおやっさんが探したことか……」
隣の鹿もご立腹の様子だ。
「A様。また勝手に抜け出したようですねぇ……」
「えっ、ちょ、何この場に乗じて説教しようとしてるの!?」
結局、二人揃って全く同じ理由で怒られた。
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