【戦国BASARA】素直になれない少女と一望千夜【尼子晴久】 (ページ48)

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４７話「さよなら」ページ48

「本当にこれで最後なんだよね……」
「ああ。だが、昨日も言ったように、二度と会えねえわけじゃねえさ」

わかってる。でも、何だか悲しい。

「でも……さっ……」

知らず知らずのうちに、涙が出ていた。そこからは、もう止まらなくなっていた。

「お前が泣くのも無理はないか？まあ、近いうちに必ずお前に会いに行く」

涙が拭われ、ぎゅっと、抱き締められた。

それは、昨日よりも温かく、優しかった。

「その時は婚約でもしてやるさ」
「こ、婚約ぅ！？」

結婚前提か……。別にいいけど……さ。

尼子の軍勢が来るまであと僅かだ。

本当に、二度とあのようなことはない。尼子は月山富田に帰ってしまう。

「じゃあな。その時まで待ってることだ」

その言葉の後、深く接吻をされ、尼子は去っていった。軍勢に向かって。

「――――絶対、帰ってきてなんて……思ってないんだからっ……！」

思っていることと正反対のことを呟いて、涙を拭った。

その時まで、泣いてなんかいられない。