４３話「急展開」※激甘注意※ ページ44
尼子はゆっくりと手を離した。だが、一瞬、柔らかい何かが唇に触れた。
これってまさか――――接吻！！？
「あ、あんた今何した！？」
慌てて口を押さえる。
「まあ。俺が帰っちまったらなかなか出来なくなるわけだしな」
「は、はあ？」
確かに明日尼子は帰らなきゃいけないけどさ……。接吻とは全然関係ないでしょ！
「月影。今は何時だ」
「えと……子の刻少し前くらい」
「そうか」
何で、こいつ時間なんか聞いてきたんだろう。意味あるのかな。
「なら、そろそろ楽しませてもらうさ」
は……？何のことで……
「え？」
あっという間に、視界に映るのが天井と尼子の顔だけになった。
もしかして、私、尼子に押し倒されたんじゃ……。
「な、何してんの、あんた！！」
「言っただろう？『楽しませてもらう』と」
「た、楽しむってどういうことよ！」
「こういうことだ」
次の瞬間、唇が塞がれた。さっきよりも深く。
(何してんのよ、こいつ！てか、早く唇離せ！！)
息が苦しくなってくるが、呼吸もできない状況。尼子も唇を離す様子がない。
「はっ……」
やっと唇が離れたかと思ったら、また塞がれた。しかも、今度は口内に何か入ってきた。
(こ、これって舌じゃあ……！)
だが、気づくのも遅く、それは私の舌と絡められた。
「ん……あ……っ……」
途中から変な声が出る。
舌が離れ、唇が離されたと思ったら、今度は何かを斬るような音がした。
「何斬って……まさか！」
斬られたのは私の帯。一気に着物が緩くなる。
「え……！？」
「覚悟はしてもらうから……な？」
さらに着物がはだけていった。
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