【戦国BASARA】素直になれない少女と一望千夜【尼子晴久】 (ページ28)

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２７話「走れ！」ページ28

「ハァ……ハァ……何としても……！」

馬をとにかく走らせる。何としてでも毛利を私の手で退かせてみせる……！

「走れ、馬！」
「ヒヒィン！」

馬は速度を上げた。風が私の横を通り過ぎて、髪をなびかせる。

「ハァハァ……あ、あそこ……かな……」

のろしの煙が見える。喧騒の声も聞こえる。きっとそうだ。

「距離的にもそんなに離れてない……。急ごう！」

とにかく馬を走らせた。

「もうすぐ……！ハァ……もう……すぐ着くんだ……！！」

だんだん目眩がしてきた。
でも、戦場に入ったらそんなこと忘れると思い、晴音たちの元へ向かうことだけを一心に考えた。

「着いた！ありがと！！」

馬のたてがみをそっと触り、大きく息を吸った。

「月影軍大将、月影Aだ！大将首、ここにあり！」

私は大声でそう叫んだ。

「大将が現れたぞ！」
「討て！！」

敵兵が次々と寄ってきた。間合いは完璧……だな。

「″銃形態″風斬連弾！！」

ドォン、ドォンという音が響いて、敵が次々と倒れる。

「この音……A様！？」

晴音の声がした。

「晴音……！無事だったんだね！」
「無事ですけど……何でここに！？」

「尼子に砦を落とされたって聞いてから、いてもたってもいられなくなったんだ」

にっ、と笑って見せた。私は平気だ、そういうことを教えたくて。