25話「風邪とは」 ページ26
「あー……最悪……」
月光がこの城に来て三日後。
私はなぜか風邪をひいて、高熱が出た。なので、寝込んでまともに行動できない。
「晴音よ。なんで私はこんなことになったんでしょうね」
「知りません。貴方の体の器官に聞いてみてください」
「うん!聞いてみる!……って聞けるかぁ!!」
こんな漫才みたいなことしたいわけじゃないんだよ……。
「晴音殿。少しお話が」
部屋の外から一人の兵士の声がした。何故だろう。何か、嫌な予感がする。
「わかった。では、A様。私はこれで」
晴音は部屋から出ていった。
「……何だろう。嫌な予感しかしない」
ごろり、と寝返りを打った。
この予感が気のせいならいいな……そんなことを思いながら、私は意識を手放した。
「……おい。起きてるか」
頭上で声がした。いい加減聞きなれた声……尼子だ。
「起き……たわよ、今!あれ?」
城が静かすぎる気がする。晴音も誰もいない感じがする。
「ねえ。みんなは?」
「ああ……この城にいるのは、俺と女中たちのみだが……」
「何でいないわけ?」
「そ、それは……」
何かいまいちはっきりしないな、こいつ。
「はっきり言えば?」
私は少し強めに言葉を放った。
「わかった。衝撃的かもしれねえが――――――よく聞け」
尼子が急に真剣な顔つきになった。何か嫌な予感しかしない。
とりあえず、頷いた。
「毛利が、お前の軍の砦を落として……総出陣となった」
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