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23話「自問自答」 ページ24

「ああ〜っ、もう!私の馬鹿!!」

礼くらいちゃんと言えないのか、私は!昔からそうだ。


子供の時から、嬉しいことをしてもらったり、助けてもらったりした時に、絶対口調がきつくなった。

そのせいでどれだけ誤解を受けたことか……齢一九になった今もそれは変わらない。

晴音や他の兵士、他国の将にも言われる。「素直になれない」と。


別に好きで私もそんな言葉を発しているのではない。ただ、勝手に言葉が出てしまう。

お礼とか言われても、「気分でやった」とか「あんたのためじゃない」とか……そういう言葉を素直に受け取れない自分が嫌になる。


「ニャアン」

背後でさっき聞いたような猫の声がした。まさか、入ってきた?


「やっぱり!戸を閉めてなかったから!」

でも、この猫追い返すのも何か可哀想だな……。

私は部屋の戸を閉め、猫と私だけの状態を作った。


「あんたのおかげでまた気づかされたよ」

私は猫を抱き上げた。


「ニャア?」

猫は不思議そうだ。


「……わからなくていいよ、あんたには」

吐き捨てるように呟いた。猫に向かって。


「……そうだ!名前、つけてあげよう」

ふと思って、名前をつけることに決めた。


「名前かあ……何がいいんだろ。
私は月影……影の反対は……光……あっ!」

私はとある名前を思いついた。

「『月光』だ!!」

″月光″……いいかもしれない。

影の反対は光。月の影と……光。いいじゃん!


「よし!今日からあんたは『月光』だよ!」
「ニャアン」

月光は何のことかわかってないと思うけど、何だか納得しているような感じだ。

24話「新たな城の住人」→←22話「助かったけれど」



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作者名:桃犬(晴☆晴) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年5月24日 10時

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