もし、転校生が二人いたら…3【あんスタ】

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……結論から言えば、TrickStarが勝った


あの後、椚先生はfineが一票差で勝っていることを告げた


その時、守沢先輩がヤジを飛ばして怒られたのはご愛嬌


閑話休題


椚先生はドリームアイドルフェスティバル、通称ドリフェスには規定のルールがあると説明した


『そのルールのひとつに『得票数に規定値以上の差がない場合延長戦を開催する』というものがあります』


校則にも書かれているはずだと言うので確認すると書いてあった


鳴「なら延長戦かしら？」


「さぁ……」


生徒会長は何とも言えない顔をしている


あの不真面目の保健室教諭でさえ延長戦を止めていた


案の定生徒会長は延長戦を棄権した


よって勝者TrickStar


明「それでいいのか、生徒会長？」


舞台上で明星くんが言った


天「うん。もちろん、僕だって悔しいけれどね？もしも『流星隊』や『UNDEAD』などに体力を削られていなければ、もしも『TrickStar』をきちんと解散させていれば、もしも僕が健康な体で生まれていれば……」


もしもの話をしているときの生徒会長は辛そうな顔に見えた


天「もしもあの転校生ちゃんがいなければ、もしも…………ちゃんが始めから僕らのプロデューサーをしていれば……」


あの転校生と言うのは飯島のことだろう。ならば、聞こえなかったもう一人、名前を呼んだ方は私だろう


天「たったひとりぶんの投票が勝敗を分けた。彼女がこちらのプロデューサーをしていたら一人分の差ではなく、大差で勝てたかもしれない。君たちは、あの転校生を、そして彼女を君たちの元へ送ったあの子に感謝するんだよ」


fineは舞台から降りた


会場はTrickStarを祝福する拍手や声援で包み込まれた


鳴「……なんだかスッキリしない終わりかたね」


「うん、一票でも勝ってるのなら勝ちだと思うけど……」


朱「天祥院のお兄様は、この終わりかたで満足しているのでしょうか……」


生徒会長を尊敬している朱桜くんも、この結末は納得がいかないらしい


「まぁ、他のライブでもこの制度があったんだから、決勝でもあるよね」


こうして、DDDは幕を下ろした


その時に誰かが呟いた


この学院は変わっていくと……

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