皆うっかりしてる話／デデデ大王：�� ページ22
大王様のお腹が減るのも無理はない。
「い、一旦夕食にしましょうか？ そろそろワドルディも帰ってくるでしょうし……」
「あ！ Aさ〜ん！」
言うほど噂はしていないけど、噂をすれば、というやつか。
とてとてと小さな足音が背後からするのでそちらを見てみれば、案の定ワドルディが走ってきていた。
「どうかしたのか？」
「大王様、ただいま戻りました！ ……これ、Aさんの物じゃないですか？」
「！ そうです、これです！ ありがとうございます、ワドルディ！」
ワドルディが差し出した物は、まさしく私が探していた物だった。
見つかってよかった！ 受け取ると、ぎゅっと抱き締めた。
胸の奥から安堵と喜びが湧き出す。
それと共に、どうして彼が持っていたんだろう？ という疑問が浮かび上がってくる。
「これはどこで？」
「朝に階段で拾いました。その後急な用事があって返すタイミングを見失っていたんですが……」
「何ぃ！？ つ、つまり、ワドルディ！ これはお前がずっと持っていたのか！？」
「え？ は、はい」
道理で城中を探し尽くしても無いはずだ。
大王様は事情をよく分かっていないワドルディを叱っている。
……でも、ワドルディが何より優先する用事は、ある人に関係したものしかないだろう。
「あの、ワドルディ。急な用事、というのは？」
「大王様に「今日の夕飯はブダイの刺身がいい」と言われたんです。材料がお城の倉庫と近くの町には売っていなかったので、遠くまで買い出しに行っていました。夕飯までに間に合ってよかったです」
……大王様は顎をあんぐりと開けていた。
まるで首が錆びついているかのように私の方へとゆっくりと顔を向ける。
「一緒に探してくださって嬉しかったです。ありがとうございました！」
大王様の前では恨み辛みもどこかへ吹っ飛んでしまう。
漢らしくてどこか憎めない、私のヒーローだ。
「でも、大王様が気まぐれにいつもと違う料理を頼まなければ、朝の内に私の手に戻ってきたんですね」
……それでも、ちょっとくらいは毒を吐くのを許して欲しい。
空回りはしてない話／ダークメタナイト→←皆うっかりしてる話／デデデ大王：��
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東方&カービィラブ - 初めまして。全て読ませていただきましたが、どのお話もとても素敵でした！更新頑張ってください！これからも応援させていただきます！ (2018年8月28日 17時) (
レス) id: 17342e30fb (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - おとうふさん» ありがとうございます！これからも思いついたままに書いていくので、どうかお付き合いください。 (2018年8月5日 22時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふ - コメント失礼します！この小説を一通り読みました。それぞれのキャラクターを原作通りに表現できていて読んでてとても面白かったです！これからの更新楽しみにしてます！！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: 656bcd2590 (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - さうざん(菜っ葉)さん» ありがとうございます！大分自分の解釈や妄想も入っていますが、そう感じていただけていると安心しました。 (2018年7月30日 21時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - いきなりのコメント失礼します。作者様のお話を全て読ませていただきました。どれも原作通りのキャラクターで、文章がとても細かく表現されていて、読みやすかったです。これからも更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 883b22f60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆打 | 作成日時：2018年7月9日 23時
