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閑話。 梓side ページ40

「で、どういうつもり?返答次第では殺しちゃうぞ。」

目の前でにこにこと笑う神威。
まさか告白するなんて。まぁ応えられない、と振られていたけど。

「今あんたに死なれると困るの。別に代わりを見つければいいだけなんだけど。…それより、見た?あの殺気。やっぱり迦葉様はああでなくちゃ。」

春雨に囲まれ、臆する事無く。慈悲もなく斬り殺していく。
返り血を浴びて真っ赤に染まる白い髪。…素敵。

恍惚としていると、神威の笑い声が聞こえてきた。

「そうだね。俺も、迦葉には戦場が似合うと思う。…でも、2人きりになってたなんて許せないな。」
「手を出すわけがないでしょう。あの時の私はどうかしてた。好きだなんて無礼にも程があるわ。」
「ほんとかな。」



初めて迦葉様を見た日のことを思い出す。
命を受けて、吉田松陽の弟子達の様子を見に戦場を覗いた。

心を奪われた。アルタナなんてどうでもよくなった。あの方のそばでその美しい姿を眺めていたい。
貴方が理想的なお姿である為ならば、貴方に仇なすもの、全てを壊して差し上げます。
貴方に倣って、烏だって白と答えます。



私は奈落を抜け、名前を変えた。
貴方のことを調べあげ、地球に戻ったと聞くとただの乙女のように見守った。
…少しあの街に流されて、無礼なことをしてしまったけれど。

あの件以降、目的が似た高杉晋助への助力になるよう春雨第七師団に近付き、手を組むよう仕向けた。



準備は整った。迦葉様、貴方が虚の破壊を望むならば、私もそのように。
邪魔する烏の羽はもぎ取りましょう。

「…ふふ。待っていてくださいね、迦葉様…」
「…いかれ女。」
「あんたら似たもん同士だろうよ。」

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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時

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