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丁か半か ページ36

街を歩いていると、1匹の黒猫が目の前を横切っていった。
不吉なもんだが、かわいい猫は不吉ではないのであとを追いかけ路地裏へ入る。

『おーい、猫…あれ、どこいった…』

確かにまっすぐ追いかけてきたはずなのに、見失ってしまった。
残念に思いながら来た道を戻ろうと後ろを向くと、フードを深く被った女が1人。

「お待ちしておりました、迦葉様。」
『…お前誰。』

阿伏兎と同じ服。春雨の人間か。

「今はただ、依頼人とだけ認識していただければ。万事屋である貴方様に。」
『依頼…?』
「私としても大変不本意ではあるのですが…我らが団長、神威を…助けていただきたいのです。」

…この女がどういうつもりかは知らないが、神威に危機が迫っているのは事実らしい。
江華に任された手前、放っておくこともできない。
銀達を巻き込むわけにはいかない。しかしまた勝手に出て拗ねられるのも面倒だ。

『ちッ…港で待ってろ。』



家の戸を開く。暇な彼らは思い思いに過ごしていた。

「聞いてくださいよ迦葉さん、銀さんが…」
「待てよぱっつぁん、俺はなァ…迦葉?」

なにか揉めていたらしい。無視して銀を抱きしめる。

「せ、積極的だなァオイ…」
『…依頼が入った。数日家を空ける。ちゃんと戻るから、待っててくれ。』
「…危ねェ仕事じゃねェだろうな。俺も…」
『…頼む。』

おれを不安げな表情で見つめる新八と神楽。
しばらく黙り込んだ後、しょうがねェな、とおれを強く抱きしめた。

「帰ってきたら1週間は俺から離れられると思うなよ。」
『長ェよ…じゃあ行ってくる。』

3人の頭を撫で、港へと向かった。



船の中、女から話を聞く。
春雨の提督が鬼兵隊と手を組んで第七師団を呼び出し、神威を抹殺しようとしている。
第七師団には鬼兵隊を潰すという偽の命令をだして。
…晋助も、いるのか?

念の為、春雨の服と包帯を拝借して顔を隠す。

『お前、不本意だっつってたよな。神威の部下だろ?なんでおれに助けを求めんだ。』

そう問いかけても何も答えない。



春雨の母船に隠れて接近し、侵入する。

「迦葉様。…戴天様、白い厄災様。ここに白夜叉はおりません。どうか思うままに剣を。」
『てめェ、何もん…』

口元を歪め、船の扉を閉められる。
神威の件は建前で、おれに思う存分戦えってのか。
その理由も女の狙いもわからないが、来てしまった以上動くしかない、か。

木刀を手に神威を探して走った。

丁か半か→←銭湯では身も心も丸裸



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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時

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