何故此処に ページ20
「シェリー?」
「あぁ、組織の施設内から逃げ出したらしい」
「…そう」
降谷君お手性のちらし寿司を食べながら、とうとうここまで来たか。とちらし寿司を飲み込む。
彼女_______宮野志保さんは、姉の明美ちゃんが生きてるって知らない。私に研二君、松田君、鈴ちゃん。それから月影島に一緒に同行した諸伏君しか知らない事実。
慎重になってたから、まだ降谷君には知らせてなかったけど…このタイミングで言っても良いかもしれない。降谷君は公安だから、明美ちゃんの事しっかり護ってくれるだろうし。諸伏君もね。
向かいでお吸い物の入った器に口を付ける彼をジッと見る。おおー、相変わらずの美男子。
この容姿で潜入捜査って……無理があるんじゃ。即バレでは?…まぁ、そこは漫画の中の世界。
細かい事はツッコまないでおこう。
「あ、あの__」
「この事も知っていたのか?」
「…うん」
怖い。降谷君の視線が。少しは信頼してくれたのかと思ってたのに…やっぱ、まだ信じてもらえてないのかな。けど、少なくとも感謝はしてくれてた。研二君達を救ったって事に…研二君が一番実感ない。だって、なんにもしてないもん。刑事課行くって聞いた時はかなり驚いたし____あんなに機械いじり大好きなんだから、てっきり爆処に行くもんだと。どこで心変わりしたんだろ?
「んー、今度本人に聞くかな」
「…という訳で……おい、聞いてるのか!」
「ふぁい!…あはは、ごめんごめん!ちょっと考え事を…で、なんの話?」
「ハァー…全く君は。マイペースというか_____そのシェリーが、近々君の知り合いの博士の
家に転がり込むという話は本当なんだな?」
「え、嘘じゃないよ?」
「あぁ、解ってる。だが、彼女の容姿は目立つ。あれで外に出れば、組織の人間に即刻バレてしま
う。その博士に迷惑が掛かるのは解りきってるだろう。変装すれば、なんとかなるかもしれないが」
「んー、そうだねぇー。普通はね?」
「…一体どういう、」
「さぁてねぇ〜。全部教えるのもなーんかつまんないし、後は自分で考えてみたら?」
規約違反だぞ!君は僕の協力者じゃなかったのか!と机に両手を付いて前のめりになる彼を、まぁまぁ。と宥める。だってさ。
「答えが解ってるなんてつまんないじゃん。想像膨らませるのも面白いよ?
君、公安様でしょ?公安なら、頭使ってなんぼってね!」
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作者名:ブラックチョコレート | 作成日時:2022年8月28日 16時