【H×H】喰種の世界から来た少女 (ページ30)

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一時ノ誤解ページ30

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ルーエシティからアジトへと戻ってきた僕達

帰ってきて早々ウボォーたちが宴会を始めた

僕は少し離れた場所でそれを遠目に見る

背中に感じる少年の血を右手で拭いじっと見つめる

冷たくなっていた少年の血は僕の体温で少し温かくなっていた

貴女「…パイロ…クラピカ」

ふと先程の少年が言っていた彼の友達の名前が頭をよぎると意味もなく呟く

クロロ「何をしている？」

手についた血を舐めようと口に近づけた時、いつの間にか斜め横にクロロさんが立っていた

彼の視線が捉える先には血が付いた僕の手

クロロ「…その血はどうした。怪我でもしたのか」

貴女「あ、いや。これは…「怪我…？」」

クロロさんの“怪我”という言葉を聞き異常に反応を見せたのは僕から少し離れた場所でお酒を飲んでいたマチ。他の人達もその瞳に僕を移している

皆さん、僕の事は気にしなくていいので宴会を続けててください…

マチ「A？なんで言わなかったの？」

声を聞く限りかなりご乱心の様だ

怒りの表情のマチがゆっくりと近づくその姿を僕はただただ見つめる

貴女「…怪我なんてしてないよ？」

僕はその場から動かず苦笑を浮かべながら言葉を返す

マチ「じゃあその血は？」

貴女「これは僕が殺した少年の血だよ」

証拠に持っていたハンカチで血を拭くと信じてくれたのかマチの表情が和らいだ

マチ「そう…ならいいけど。団長が“怪我”なんて言うから焦ったよ」

クロロ「最初はオレもそうかと思ったんだよ」

マチ「全く…」

元いた場所に戻るマチ。それとは反対に僕の隣に座る団長
見ていた他のメンバーもいつものドンチャン騒ぎの宴会に戻る

一応収まった、のかな…？

貴女「…団長、今のわざとですよね？」

クロロ「どちらだと思う？」

口元に笑みを浮かべながら団長の黒い瞳が僕を捕らえた

ずるい人
質問に質問で返してきた

貴女「…はぁ」

団長の質問に対して僕から出た反応はため息だけ

いやため息しか出なかった