【H×H】喰種の世界から来た少女 (ページ15)

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忠誠ヲ誓ウページ15

元の世界のことを考えているとそれが顔に出ていたのかまたしてもあの小さい男の子が僕の手を引き心配そうな目で見つめていた

“大丈夫ですよ”

その意味を込めて僕は優しく微笑む

そしてその後、流石に疲れてきたので鱗赫をしまい赫眼を元に戻す

それを見たクロロさん達はある程度満足したのか先ほど自分が座っていた場所へと戻っていった

だけどなぜかあの小さい男の子は自分の場所へと戻らずに僕の手を握り隣にいる

この短時間で随分と懐かれてしまったようだ
ま、可愛いからいいけど

彼の手を引き僕も元いた広間の中央へ移動する

クロロ「喰種のことについては大体分かった。だが未だに謎なことが一つある。A、なぜお前はオレらのアジトの近くにいたんだ」

黒い二つの瞳が僕を見据える

先ほどとは一変して緊張した雰囲気に包まれていく

だから僕は嘘偽りなく全てを話した

仲間を庇い自分が死んだこと

気づいたらあの場所にいた事

自分がいた世界から今ここにいる世界にトリップしてしまったこと

クロロ「…ならお前は行く宛がない、ということだな？」

貴女「まぁ…」

シャル「…これは、お決まりのパターンかな」

シャルが言った言葉が理解できず僕ははてなを浮かべる

クロロ「A蜘蛛に入れ」

はい？

貴女「あの、くもとは一体なんのことで？」

僕の頭の中はますますはてなでいっぱいになった

そんな僕が考えて思いつくのは空に浮かぶ曇か虫の蜘蛛のどちらか

クロロ「蜘蛛とはオレ達幻影旅団の別名みたいなものだ」

貴女「な、なるほど…それでその“蜘蛛”に入れとは仲間になれと捉えても？」

クロロ「あぁ」

貴女「…ちなみに拒否権は？」

クロロ「あると思うか？」

貴女「…あると思いたいです」

クロロ「あったとしてもお前は拒否できない」

そう断言する彼が視線を向けているのは僕の隣にいる小さな男の子

またもこちらを見つめる目は捨てられている子犬のようで、それでいて繋いでいる手を離そうとしない

これは完全に最初からクロロさんの手の上で踊らされてたな…

そう確信した

全くえらい所に飛ばされたもんだ
だけど不思議と嫌な気持ちにはならない
むしろ受け入れようとしている自分がいる

僕はふぅと一息吐いたあと、クロロさんに忠誠を捧げるように自身の空いている手を胸に当て彼の前で跪き

貴女「…よろしくお願いします」

僕のその行動に満足そうに微笑むクロロさん達をこの時の僕は知らなかった