十五歩目 ページ16
【??? side】
「……いい天気。」
1人。屋上のベンチでいちご牛乳を飲みながら青空を見上げた。ほんのり甘い味が口の中に染み渡る。
「あーあ、先輩。今日も上の空だったなぁー……なんなら私の話聞いてなかった。っていうか、やっぱり脈ナシ!?はぁー…」
入社してもうすぐ1年が経とうとしている。
そんな私、ぁ、名前まだ言ってなかったよね、斎藤っていいます。はい。
……観音坂先輩は初めの3ヶ月、新入社員の私を教育してくれた。飲み込みの早かった私は直ぐに独り立ちができたけど、本当はもっとそばに居たかった。
「皆はそんなにって言うけど、かっこいいんだよなぁ…」
そう、あれは私がミスしてしまってハゲ課長に怒られた日だった。
かなり大きなミスをしてしまい皆に迷惑をかけたのだ。謝ってから涙が出そうになった私はトイレに行くと嘘を言ってこの屋上に来た。そしてこのベンチに座って涙を流していたら鉄扉が開いたのだ。
そこには観音坂先輩が立っていた。
こちらに歩いてきて目の前で止まったけど下を向いて涙を流している私は先輩の足元しか見えない。
『…ぉ、おい。大丈夫、か?』
『ぐすっ……、は、はい。大丈夫、です。っ、でも、私のミスが……うぅっ、』
『はぁ……』
ぁ、やばい。絶対に飽きられた。
……どうしよう。
『ほら。』
『え?』
ずっと下を向いていた私の視界にいちご牛乳が差し出された。
『…ぃ、いちご牛乳??』
『こ、これ。……飲んで元気出せ。』
『ぁ、ありがとうございます。』
ちゃんと目を見て言おうと上を向いた時だった。いつもハゲ課長に悩まされていて大変そうな顔をしてるのに凄く優しい笑顔で私を見ていた。
『……。』
『まぁ、…俺だって初めの頃は失敗ばかりだった、から、その…あんまり気にするな。』
『…は、はい。』
やばい。私の顔今絶対に赤い。
『じゃあ、俺は先に行ってるから……落ち着いたら、戻ってこいよ。』
と言って行ってしまった。
その日から私は先輩に片思いしているのだ。
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ゆ - か、神作に限って更新停止!! (2022年5月12日 22時) (レス) @page19 id: ac86c954c4 (このIDを非表示/違反報告)
はんぺん(プロフ) - ルル様コメントありがとうございます!そう言って貰えて本当に嬉しいです(;_;)これからまた更新していきますので暖かい目で見てやってください〜^^ (2019年5月27日 17時) (レス) id: e14b8aac4c (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - はじめまして!メイドの夢主ちゃんも独歩さんも可愛いですね!くっつくねいつかなとニヤニヤしながら見ています!続きを楽しみにしております! (2019年5月13日 18時) (レス) id: f9398f263f (このIDを非表示/違反報告)
はんぺん(プロフ) - 望願mone様 コメントありがとうございます!個人的に斎藤ちゃんも頑張ってるんだよって所を皆さんに伝えたかったのでそう言って貰えて嬉しいです。ありがとうございます(´ω`)! (2019年3月12日 23時) (レス) id: 4732a17b70 (このIDを非表示/違反報告)
望願mone - モブの斎藤ちゃんを無性に押したい自分がいる・・・ (2019年3月8日 1時) (レス) id: 0abfaad50d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はんぺん | 作成日時:2019年2月7日 21時