19話 ページ21
自主練日の翌日、そして倉持初デートの翌日、つまりは月曜日。
次は体育だから更衣をするために唯とサチと更衣室に向かっていた時のこと。
「染谷」
「御幸、どうしたの?休憩時間に廊下出てるなんて珍しいね」
いつもはB組の自分の席に座ってスコアブックと睨めっこをして休憩時間を過ごす御幸が廊下に出てきて、わざわざ私を呼び止めた。
これは珍しいのだ、あの御幸一也がスコアブックよりも私を優先したんだ。天変地異の前触れかもしれない。
「まあな。それよりお前、今日気をつけた方がいいぜ」
「は?」
私も、ついでに唯もサチも素っ頓狂な声を出した。
特に当たりもしない朝の占いのような御幸の話の切り出し方に3人揃って首を傾げる。
「あー、いや、倉持さ、めちゃくちゃ機嫌悪ぃんだよ。
んで、休憩時間も毎時間チラチラ廊下の方見てっから何してんのかなと思ってたらなんかお前のこと待ってるっぽくて。獲物狙ってるチーターの目してんの」
「…………何故私は捕獲されそうなんでしょう」
「さあ?本人に聞く勇気があるなら本人に聞けば?」
「うん、あるわけないよね。それでその倉持は?」
「今は便所。俺からはそれだけだから、もう早く行った方が良いと思うぜ」
相変わらずの飄々とした口振りでそう忠告すると、御幸はB組に戻って行った。
私を待ってるって、一体なんのために?
ここ最近私の様子がおかしいから、痺れを切らしたとか?
心当たりを探っていると、サチが私の肩に手を回した。
「私らがAを倉持から守るから安心しな!!」
そう冗談めかして胸を張るサチにありがとうと答えると、休憩時間も残り少なくなってきたので更衣室へと急いだ。
………何となく、後ろから感じたような気もする鋭い視線は気のせいだと思うことにして。
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マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです 丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年8月15日 17時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マカロニ | 作成日時:2020年7月24日 12時