はじまり ページ2
「あー、若菜可愛いよな」
「若菜って、沢村くんの?」
「まだ沢村のって決まったわけじゃねぇだろ!」
「ていうか、この前はヤマダさんのこと可愛いって言ってなかった?」
「言った。ヤマダさんも可愛い。あー、彼女ほしい」
彼女ほしい。
何でもないようなその一言が、太い針のようになって私の胸に刺さって、そのまま抜けないような感覚。
そんな私の痛みに気づくはずもなく、そいつは…倉持は続ける。
「可愛い彼女作って、オフはデートして、試合応援されてぇ。可愛い彼女ほしい。」
「"可愛い彼女"って二回言った…」
「だって、可愛い子が良いだろ!」
その"可愛い子"の中に、私は入らないのだろう。
私は倉持の眼中にすら入れていない。
「あー、恋してぇ!!」
「はは、倉持必死かよ!」
「うるせぇ!!」
………恋なんて、甘酸っぱくなんてない。
苦いだけだ。
ねえ倉持。
私は恋なんてしたくなかったよ。
109人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです 丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年8月15日 17時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:マカロニ | 作成日時:2020年7月24日 12時