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4.本当の私は ページ6

夢主side


「オイオイ、冗談だろ?
この組織の構成員は手前一人か?」


ビルに入るや否や中也はそう云う


組織が拠点にしている廃ビルはかなり廃れているようで、真面に使えるのは1階だけのようだった



「はっ、そっちこそ少ないじゃないか。
...確かに此処の組織は今じゃあ俺一人さ。
でもな...アンタ如きに負けるわけ...」


「遅え。」



中也は相手の言葉を遮り、絶命させた



『...よかったの?最後まで聞いてあげなくて。』


「嗚呼。どうせ負け惜しみか何かだろ?
そんなの聞いたって何にもなんねエよ。」



さ、いくぞと中也がビルを出ようとしたときだった


ビルの瓦礫から一人の男が姿を現したのだ



「はあーあ、この駒も使い物にならなかったねエ。残念、残念。」


紫色の髪の色に真っ赤な瞳を持つ男


此奴...何処かで...?



「...手前、この組織の奴か?」


「厭、違うね。俺は組織とは関係ない。ただ、目的は此奴を駒にして其処の嬢ちゃんをおびきよせること。」



ぴっ、と私を指差し、気味悪く笑いながら男はそういった



『...私を、殺すつもり?』



「んー、後々はそうするつもりだよ!
でも、今日は違うんだよなア。」



ぽいっ、と男は何かを投げる

それは木で出来た質素なキーホルダーだった



「俺の名前は狭霧。そのキーホルダーで自分のことも、俺のことも思い出してくれるとうれしーなー!」



じゃあね、と男は颯爽と去っていった


「何だったんだ、彼奴...おい、大丈夫か?...A?」



中也が何か云っていることは分かっていた

でも、耳に入ってこない

彼奴が私に向かって投げたキーホルダー


...私のものだ


唐突に頭が痛くなるのを最後に私は意識を失った

5.キーホルダー→←3.初仕事



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作者名:雫size | 作成日時:2019年12月10日 12時

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