虎の少年は死神と呼ばれた少女と出逢う (ページ20)

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19.平和ページ20

あれから私は正式に探偵社員となり、毎日パソコンや書類と向き合う毎日だ

にしても...

『平和だなあ...』

本当だ

本当に平和...

『よしっ、と。
国木田さーん！終わりましたよ！』

国「お、出来たか。
よし、昼休憩していいぞ。」

『ありがとうございます。
じゃ、少し出ますね。』

私はそう云って、ある場所へ向かった

＿＿＿＿＿＿＿＿

『はあー、落ち着く。』

コンビニで買った菓子パンを食べながらそう呟く

今、私がいるのは森の開けた所にある大きな木の下だ

貧民街に居た頃の唯一の休憩場所だったのだ
　

目を閉じて聴覚を研ぎ澄ませる

風の音、風によって揺らされる葉っぱの音...

様々な音を聞き取ることができた

？「こんな所に人がいるとはな。」

不意にそんな声が聞こえてくる

声で誰なのか分かったが、私は動じなかった

？「なんだ。僕に敵意を持たないのか？」

『相手に敵意が無いからですよ、芥川。』

私は目を開いて相手を見る

芥川は少し笑って私の近くの木陰に座った

芥「貴様も僕と同じ境遇にあった者か。」

『ええ。私は貧民街の年の離れた男の子に育てられましたから。本当の父も母も見たことがありません。』

芥「...その男は元気なのか？」

私は少し黙ってから答えた

『もう、この世にいません。

私が...

殺してしまったから＿＿＿』