〔WT〕狭間の者

第三十一話:那由多の過去３と現在 ページ32

那由が落ち着くまで待ってから俺は那由に聞いた

俺「なぁ、那由……お前寝てないのか？」

そう聞いたら那由の猫耳がピクッて反応した

俺「那由お前……」

俺が言おうとすると

那由多「だって……信じたくなかったから……もしかしたら、帰ってくるんじゃないかなって思って……」

『寝たくなかった』

途切れ途切れにそう言った那由。俺は夏乃刀さんが昔言ってたことを思い出す

━ 夏乃刀『那由多が婿を取るか嫁に行くまでは側で見ておかないと危なっかしい』━

夏乃刀さん……そう言ったじゃないですか。何で那由を一人にするんですか

俺「那由……俺、側にいてやっから……ずっと」

那由の背中を優しくポンポンと夏乃刀さんがやってたように叩いてやる

那由多「ん………………すぅ」

やっているうちに那由は寝た。俺は取り敢えず那由をソファーの上に寝かせる

俺「夏乃刀さん……那由を一人にしないって言ったじゃないですか」

ソファーで寝る那由を見ながらもう一度言う。那由のたった一人の家族の夏乃刀さんに

俺「無茶しないか俺が見ねえと……またやりそうだよな本当……」

俺は那由をポンポンって優しくやりながら言う。しばらく俺はそうしていた









そんで今

俺「全く……無茶しやがって」

俺はあの時みたいに那由多をポンポンしながら言う

俺「後は太刀川さんだな、全くあのダメ隊長は……」

ポンポンは続け空いた右手でスマホを出しある人に連絡をする

直ぐ様その人から『了解した』と返信が帰ってきた

「お！もう来てたか！」

来たな。ダメ隊長

太刀川「何だ？寝てるのか？」

俺に那由を起こさないように聞いてくるダメ隊長

俺「睡眠時間約２時間だったようで」

一応そう答える

太刀川「マジか〜！レポート手伝ってもらえねえじゃねえか！」

右手で前髪を掻くダメ隊長

「何が出来ないって？」

そうダメ隊長に訊ねるあの人

太刀川「だから手伝……か、風間さん」

後ろを振り返り青ざめる太刀川さん

風間「覚悟はいいか」

スコーピオンを構えて言うのは風間さん

太刀川「か、風間さん待っ……ぎゃああぁぁぁ!!!」

太刀川さんが止めようとするけど風間さんが待つはずもなく、風間さんの制裁を受けるダメ隊長太刀川さん

俺「自業自得……だな」

ため息をしながら俺は言う

太刀川さん達のやり取りで那由が目を覚ましたのは言うまでもないー…

出水視点終了

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