〔WT〕狭間の者

第二話:那由多の兄 ページ4

「那由多」と呼ぶ声に皆が振り返ると

那由多「レージさん！」

玉狛第一隊長の木崎レイジがいた

木崎「あぁ。遅くなった。那由多のこと任せて悪かったな奈良坂、那須」

そう言う木崎に二人は

奈良坂「大丈夫ですよ、木崎さん」

那須「えぇ。那由ちゃんとランク戦したり、話をしてたので♪ね、那由ちゃん」

那須の言葉に嬉しそうに頷く那由多

那由多「うん！楽しかった！」

木崎「そうか。良かったな」

那由多の頭を撫でながら言う木崎

その光景に木虎は絶句状態だった

木崎「そろそろ行くか」

那由多「うん！またねー！」

そう言い木崎と共に去る那由多

木虎「あ、あのあれは一体…」

木虎が聞くと

奈良坂「あぁ。那由多は家族がいない。木崎さんとかが面倒を見ている」

木虎「そう、なんですか…」

木虎も驚く話だった

木虎「二人はどこに行くんでしょうか？」

佐鳥「あ。時々レイジさん達と一緒にどっかに行くのを見るなー」

那須「茜ちゃんは城戸さんと一緒に行く所を見たって言ってたわ」

皆「城戸さんと!?」

那須の言葉に皆驚く

木虎「あの、城戸さんと…」

驚く皆の前に

「どうしたんだ？そんなところで固まって…」

皆「東さん！」

B級東隊隊長東春秋がいた

東「どうしたんだ？」

佐鳥と奈良坂が説明をする

東「あぁ。夏乃刀さんの墓参りだろう」

皆「夏乃刀さん？」

東「あぁ」

皆が分からず東に聞くと

嵐山「確か…那由多のお兄さんでしたよね？」

名前だけ知っていた嵐山がそう言う

東「あぁ。俺の小学校からの先輩で、嵐山の言うとおり那由多の兄だよ」

東はその後夏乃刀の話を教える

昔からボーダーにいたこと等を

東「木崎の師匠をしていたな」

「木崎さんの師匠を!?」

佐鳥「荒船先輩！」

そこにB級の荒船隊隊長荒船哲次と来隊馬アタッカー村上鋼がいた

荒船「東さん！木崎さんに師匠がいるって本当ですか!?」

村上「荒船、落ち着けよ」

やや興奮気味の荒船と荒船を宥める村上

東「あぁ。でも、昔に亡くなった」

その場にいた者全員が言葉を失う

奈良坂「それは、大規模侵攻でですか？」

那須「透君…」

大規模侵攻で家を壊された奈良坂とそれを心配する那須

東「詳しくは俺も知らないが、大規模侵攻の半年位前だそうだ」

東は頼れる先輩で妹想いの優しい人だったと

懐かしそうに言う

那由多の過去ー…

この時いた者は、那由多の抱えるモノの重さを

理解し、知る者はいなかったー…

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