〔WT〕狭間の者

第二十九話:那由多の過去 ページ30

四塚市事件から数日後…

那由多は太刀川隊室に来ていた

那由多「ふわぁ〜…」

と欠伸をし、眠そうに目を擦る那由多

出水「なんだ那由、寝不足か？」

どら焼を出しながらそう言う出水

那由多「少しね。戻って寝たら今日の４時半過ぎだった」

目を擦りながらそう言う那由多

出水「は？ちょっと待て……お前確か朝に防衛任務あって８時からだったよな？」

確認するように那由多にそう聞く出水

那由多「うん……ふわぁ〜…」

欠伸をしながらそう答える那由多

出水「お前……寝ろよ!!」

やや怒り気味にそう那由多に言う出水

那由多「だって〜…太刀川さんに任務終わったらここに来てくれって」

そんな出水に眠そうにそう言う那由多

出水「あんのバカ隊長……！(那由にレポート手伝わせる気かよ！)」

と言っていることと思っていることが逆になっている出水

那由多「公平、言っちゃった……(よっぽど太刀川さんに溜まってたんだなぁ)」

眠そうにしながらそう言い、思う那由多

しかし、那由多が思うことで出水は怒ってはいない

那由多「ふわぁ〜…」

また欠伸をする那由多

出水「那由…取り敢えずそこで寝てろ。何かあったら起こしてやるから、な？」

那由多が座っているソファーを指差しながらそう優しく那由多に言う出水

那由多「それじゃあ…お願いね公平」

ふにゃと笑うとソファーに横になり寝る那由多

出水「おう…ってもう寝てやがる……たっく…こういう所は昔から変わんねえな」

そう言いながら横になって直ぐ寝息をたて眠った那由多に毛布を掛ける出水

出水「(夏乃刀さんが亡くなった時もしばらく寝なくて、寝れなくてこうなった時があったな……)」

ソファーで眠る那由多を見ながらそう思う出水

那由多の兄が亡くなり、那由多が荒れていた頃を思い出す出水

那由多の過去、出水が何故那由多に対し過保護になったのか

出水は那由多の頭を撫でながら思い出すのだったー…

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