〔WT〕狭間の者

第十七話:追ってきた近界民 ページ18

ゼノとリリスに自身のことを教え始める那由多

那由多「私はこっち玄界で生まれて育ったの。お母さんが近界民だって知ったのはボーダーに入ってから

お母さんの近界がアルタルクだって知ったのなんてついこの前だしね

でも、お父さんは玄界の人。私は半分だけ近界民なんだ」

えへへと笑いながら言う那由多

ゼノ「半端者ということか」

那由多の言葉にそう言うゼノ

リリス「ゼノ！」

辛辣なことを言うゼノにリリスが何かを言おうとした時

那由多「その半端者のおかげであなた達に会えた」

嬉しそうに笑いながらそう言う那由多

楽「那由多先輩……カッコいい!!」

おぉっと感動したように言う楽

那由多「えへへ」

照れたように笑う那由多

緋雨「俺達はお前らに危害も何も加えない。安心しろ」

安心させるように言う橘

那由多「いっぱいお話ししよう？ね」

笑顔をゼノとリリスに向けながら言う那由多

リリス「うん！」

リリスは那由多と同じく笑顔で答えるが 、ゼノは警戒したままである

楽「ねえねえ。トリオン兵使って戦うって聞いたけど本当？」

興味津々のキラキラした目で警戒しているゼノに聞く楽

ゼノ「あ、ああそうだ。なんだ貴様興味があるのか？」

と聞き返すゼノ

楽「うん！すごく！」

そう返す楽に話始めるゼノ。警戒していたとは思えないほどの変わりようである









ゼノ「それがこいつだ！」

楽「おお！」

那由多「それでね！」

リリス「すごい！」

それぞれ楽しそうに話している

緋雨「!!」

話している様子を見守っていた橘は急に窓を見て睨む

那由多「……！」

那由多も何かに耳が反応する

リリス「どうしたの？」

リリスが心配して聞いてくる

緋雨「ちょっとお前達にまずい『流れ』が近付いてきてる」

静かに橘が答える

ゼノ「奴か！」

ゼノが反応する

那由多「どんどん近付いてきてる…！」

那由多がそう言うと

ゼノ/リリス「「っ！」」

ゼノとリリスが息を呑む

緋雨「大丈夫だ俺らが対処する」

そうゼノの頭を撫でながらそう言う橘

ゼノ/リリス「「!?」」

そう言う橘にまた驚くゼノとリリス

那由多「大丈夫！私達強いから！」

楽「任せてよ!!」

那由多は両手を握りしめ肩の高さまで上げ、楽は胸に手をドンッと当てそう言う

那由多「(リリス達は連れて行かせない。絶対守る。お兄ちゃんが守ったように！)」

那由多は決意を胸に秘め橘達と共に追ってきた近界民を迎え撃つため向かうのだったー…

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