〔WT〕狭間の者

第零話:始まり ページ2

私には両親の記憶がない。

お兄ちゃんと二人暮らしだった。

お兄ちゃんはボーダーに入ってて、強かったらしい

お兄ちゃんには好きな人がいた

その人は四年前の大規模侵攻で亡くなった

その大規模侵攻の半年ぐらい前、

お兄ちゃんは死んだ

お兄ちゃんの弟子だっていう人と

眼鏡のおじさん、城戸さんっていう人が

私を引き取った

そこで初めて知った

お母さんが近界民という別世界の人だったということ

両親がボーダーのエンジニアだったこと

私の耳はお母さん譲りの猫耳、

近界民の特徴を持っているということ

私はそんなの気にしない

だって、お母さんと同じで嬉しいから

お母さんの近界の近界民は猫耳と身体能力が高い、

耳がいいのが特徴らしい

お兄ちゃんはお母さんよりお父さんの血が

濃かったから猫耳は無かった

でも、身体能力が高いのは同じくだった

お兄ちゃん、私これからボーダーで働くよ

だって、お兄ちゃん、お兄ちゃんの好きな人と

お兄ちゃんが生きた世界を守れるんだよ？

そんな嬉しいことはないよ

だからね、お兄ちゃん。そっちで好きな人と一緒に私の事を見守っててね。









少女は亡き兄に誓い、母と同じ耳をはためかせ今日も生きるー…

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