第七十話:聖殿パラミデスへ ニ章 ページ22
エレノア「……聖寮対魔士エレノア・ヒュームです。どんな御用でしょう」
自身の名を名乗るとエレノアは女性に少し近付いて話を促す
「人探しをお願いしたいのです」
女性はエレノアに人探しを頼みたいと言う。エレノアは女性のその言葉に少し首を傾げる
周りで聞いていたテラリア達もそれぞれが顔を見合わせたりして驚くと女性の言葉の続きを待つ
「ある親子が、聖寮の施設に行ったまま帰らないのです」
心配そうに女性は簡単にエレノアに探してほしい人物の事を言う
エレノア「……二人共行方不明に?」
女性の言葉にエレノアの雰囲気が少し変わる。表情に出さないようにしているが、僅かながら声に疑いを滲ませる
テラリア「(エレノア……?)」
雰囲気が僅かに変わり、声音も疑っているエレノアの様子にテラリアはエレノアに視線を向ける
「母親はアメノチ様の巫女、マヒナさん。娘はモアナちゃんという小さな女の子です」
女性は行方不明になった親子の名とどんな人物なのかを伝える
テラリア「(聖主アメノチの巫女…!)」
女性の言葉にテラリアは驚く
エレノア「アメノチ様の巫女ということは……」
女性の言葉にエレノアは思い当たることがあり呟く
「はい。アメノチ様の聖殿が接収されてから、マヒナさんは聖寮に何度も抗議をしました
でも、ある日帰って来なくなって……そして、モアナちゃんまで消えてしまったんです」
女性は頷くと何があったのか説明する。エレノアは何か思い当たるのか、指を米神に当て考える
「きっと、マヒナさんを探しに行ったんだと思います」
女性は続けて娘・モアナは母親を探しに向かったのだと言う
エレノア「その二人が聖寮の施設にいると?」
女性が言った言葉に考えていたエレノアが聞き返す
「巫女の後継者として、厳しく育てていましたが、本当にモアナちゃんを愛していたから……」
エレノアの言葉に女性はそっと首を振り否定すると、マヒナがモアナを捨てることはしないとも言い否定する
母の存在を知らずに育ったテラリアは、母親とはこういうものなか、と話から知る
「抗議のことはお許しください。どうか聖寮の御力で、二人を捜していただきたいのです」
女性がエレノアに向かって頼み込む姿が映る
エレノア「できる限り調べてみましょう」
女性にエレノアは小さく頷くとそう言う
「ああ、ありがとうございます!」
エレノアの言葉に女性は嬉しそうな表情をしながら礼を言うのだったー……
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作者名:クーシー | 作成日時:2018年2月4日 20時