婚約者6 ページ7
「殺る気十分のようでなによりだよ」
「別に？ ただ、聞き分けの悪い小動物を、少し躾ようと思っているだけさ」
「……言ってくれるね、」
「そういう短気なところも含めて、ね、」
「少し黙りなよ」
……いや、黙らせてあげるよ。
中庭に飛び降り、激しい攻防を繰り広げる。父は確かに、本当に一般人なのか疑うほど強い。けど……
「僕に勝てるとでも思ってるの？」
「……さあね」
強い、とはいえ一般人の中では、という意味でだ。その程度で、裏社会のトップマフィア・ボンゴレの中でも最強と呼ばれている──この呼ばれかたは大嫌いだけど──この僕に、勝てるはずが無い。
……そんなことは、父自身がよくわかっているはずなのに、なぜ？
「やっ、やめて！！」
「……あっけないね。興冷めだよ」
はっと我に返った母が悲鳴を上げて立ち上がり、こちらに駆け出そうとするが、もう、遅い。
地面に座り込み、……それでも笑みを崩さずにこちらを向いている父に僕は容赦なくトンファーを振り下ろ──
「そこまでだ。落ち着け、雲雀」
「……何の用だい。沢田綱吉」
────す直前、上げた手を抑えつけられる。
「遅れちゃってすみません！」
「いいや、いいところに来てくれたよ」
「……そういうこと」
ゆっくりと手を下ろすと、シュウウ、と音を立てながら沢田の額と両手にはめられたグローブから炎が消え、グローブが手袋に変わる。そして、手袋をはずし冷静な表情から180度変わって慌てて父に頭を下げる沢田を見て、父の気持ち悪い笑顔や行動全てに合点がいった。最後の笑顔は僕ではなく、僕の背後から文字通り飛んで来た沢田に向けたものだったのか。
こうなることを見越して最初から沢田を呼んでいたのか。……母は知らなかったのか、安心と混乱が入り混じった表情を浮かべながら、呆然と座り込んでいた。
父があえて挑発的な発言をしたのも、僕が呆れて出て行くのを阻止するためだと考えれば納得がいく、が。
「……いいよ。二匹まとめて、咬み殺してあげる」
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ゆきか - 初コメ失礼します！すごく好みの作品で楽しく見させていただいています！続き待ってます！ (2019年10月28日 16時) (
レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
夢うさぎ??(プロフ) - ゆうりさん» コメントありがとうございます！ あわわ、面白いだなんて……ありがとうございます！！ まだまだですが、より面白い物がかけるように頑張ります！ (2019年7月1日 3時) (レス) id: 4da07b4f90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 関連作品ランキングにあったので、読んでみたら凄く面白くて一気読みしてしまいました。受験大変ですよね(-_-;)私も去年大変でした。 頑張ってください！応援してます！ (2019年6月30日 16時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - むにゃさん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！！ だいぶテストやばいんですが、人生初ライブなんでなんとかしたい、いやしてみせようと思います！！ (2019年4月3日 17時) (レス) id: 8a8c64050c (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 露都さん» コメントありがとうございます！ 死ぬ気で頑張ります！！ 更新はしばしおまちを……。 (2019年4月3日 17時) (レス) id: 8a8c64050c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢うさぎ | 作成日時：2019年3月26日 16時
