俺は太宰治になれない

急に男前……でも ページ37

「おい！何処に行くか位教えろよ！」





え、何か喧嘩腰じゃない？ヤンキーじゃん！！カツアゲじゃん！！





俺だって好きで調査に出てる訳じゃないんだよ中原中也……！！






『……悪いけど話しかけないでくれる？一寸、呼吸で忙しいから……』






「ビビりの癖に善い度胸してんじゃねぇか……」






確かに呼吸で忙しいはあれだけど……仕方ないじゃん！！




俺だって好きで煽りたい訳じゃねぇんだよ！！






「何処に向かってるか答えろって云ってんだよ！」



『ひっ！』





中原中也が俺に向かって足を突き出し蹴ろうとしたので




俺はビビりつつもジャンプして其れを避ける





やっぱり太宰治って反射神経善いよな……




『ちょ、調査に行くんだよ。爆発を一番身近で見た人間に聞き込みに行く』




「爆発？」





俺は長々とした説明を中原中也に伝えた



俺の話を要約すると




一週間前に俺たちが経験した爆発が近くの場所で起きた





恐らく俺らが追ってる事件と関連しているだろうから生存者に話を訊く……と云う事だ





いやーやっぱり太宰治の頭脳って凄いなぁ






俺じゃ絶対判んねぇもん。






なんて呑気な事を考えてると近くにあった洋館から大きな爆発音が響き渡った







『ひぃ！！』







思わず頭を抱え地面に座った







洋館を横目にちらりと見ると炎が燃え上がっていた






え、これマジであそこに行かなきゃ行けねぇの？






無理無理！！中原中也だけで行って来てくれ！！






あんな物騒な爆発があった所にビビりは近づけねぇよ！！






治安悪すぎだろ此処！！






「そんなとこでビビってる場合か！行くぞ」






中原中也は俺の首を掴むと其の儘ズリズリと俺を引き摺って歩いた






『だ、誰か扶けて！！俺あんなとこ行きたくないよ！！』






「あ”？」




『ひぃ！！』





こ、怖いよぉぉ！！！





そんな急に「あ”？」とか云うなよ！！





ヤンキーは怖すぎるっぴ………！！






「はあ……そんなに怖ぇなら俺の後ろに隠れてろ。守ってはやんねぇからな」






きゅん……え、なに中原中也……急に男前じゃん




一寸ときめいちゃったよ





でも其れ……






『僕より背が低いから隠れられなくない？』





「……何時か殺す」






凄まれる事はしなかったが身体から滲み出てる殺気に思わず涙が出そうになったのは秘密

銃は何時見ても怖い→←素を出しすぎた………

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