俺は太宰治になれない

神なんていたら俺は此処にいない ページ35

「中也君、荒覇吐と云うのは何者なんだい？


　此方も軽く調べたよ、荒覇吐と云うのは伝説上神の眷属だ


　只あまりにも古い為にその正体は判然としない」

















「神なんてものの存在信じるのかよ」

















そうだよな！？判る、判るぞ中原中也！！









神なんていたらきっと今俺此処に居ないもん！！












うわぁぁぁぁぁぁぁ！！！！














「君が荒覇吐について調べていたのは偶然ではない


　私達と同じ噂を耳にして追っていたのだろう？」















「流れ者の多い土地だ、噂の出所を突き止めようとねぇ


　摺鉢街が如何やってできたか知ってるか？」













え、それならほら……巨大な爆発が起きたとか何とか……












「その爆発の原因が荒覇吐なんだとよ」










え！？今俺の心読んだ？？










否、多分だけど森さんがなんか云って中原中也が答えたって感じだろうなぁ















中原中也の話を要約すると、








噂だと8年前に海外の兵士が租界にあった軍で拷問を受け恨みと怒りが荒覇吐を呼び起こした








黒い炎が軍人を施設ごと吹き飛ばしその爆発で出来たのが……

















「あの摺鉢街と云う事か……太宰君、如何思う？」









何で其処で俺に話を振るの？









『……恐らく僕達の知らない異能力が使われたんだと思う……


　若し先刻の映像が偽装じゃなかったら僕達は終わりだね』












「やれやれ……」

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